応力図の表示と変形の重ね表示
表示する成分の選択
応力図はビューアの表示モード「応力図」で表示します。部材内力 \( [N, Q_y, Q_z, M_x, M_y, M_z] \) の 6 成分を「成分:」のチェックボックスで個別に ON/OFF でき、選んだ成分をすべて同時に描きます。よく使う組はプリセットボタンで 切り替えます。
| プリセット | ON になる成分 |
|---|---|
| N 図 | \( N \) |
| Q 図 | \( Q_y,\ Q_z \) |
| M 図 | \( M_y,\ M_z \) |
既定は M 図プリセット(\( M_y,\ M_z \))です。「変形表示」「コンター」「カラーマップ」 「値を表示」の各設定は成分を切り替えても保持されます。
張り出し面は成分ごとに決まっており、強軸側(\( N,\ Q_y,\ M_x,\ M_z \))は部材局所 \( y \) 面、弱軸側(\( Q_z,\ M_y \))は局所 \( z \) 面へ出ます。曲げとせん断の対 (\( Q_y \)–\( M_z \)、\( Q_z \)–\( M_y \))が同じ面に出るため、6 成分を同時に 表示しても直交する 2 面へ分かれて重なりが減ります。成分は固定色(凡例・図の塗り・ 輪郭線・数値ラベルで共通)で区別します。
断面力の符号規約は \( Q_y = dM_z/dx \)・\( Q_z = -dM_y/dx \) で \( M_y \) だけ せん断との関係が反転しているため、「正のモーメントを引張側へ張り出す」規約 (5.2 線形静解析)を保つよう、 \( M_y \) は張り出しの符号を反転して描きます。数値ラベル・コンターの色は張り出し値 ではなく内力値そのもので決まります。
最大値・コンター凡例(kN・kN·m)
ビュー左上の凡例には、表示中の成分ごとに「色見本+成分名+最大値」を 1 行ずつ並べます。 表示単位は力が kN、モーメントが kN·m(内部単位の N・N·mm から換算)です。
コンター表示を有効にすると、各行の下にその成分のカラーバー(左端 \( -\max \)・中央 0・ 右端 \( +\max \))を添えます。同じ単位の成分は同じ max で正規化します。力グループ (kN): \( N,\ Q_y,\ Q_z \)、モーメントグループ(kN·m): \( M_x,\ M_y,\ M_z \)。 共有 max は、表示中かつ実質ゼロでない(下記「実質ゼロの成分」)同単位成分のモデル全体 最大絶対値の最大です。凡例の max・張り出し振幅・コンター色・数値ラベルの 1% 間引きは、 すべてこの共有 max を使います。\( N \) と \( M \) のように単位が異なるグループ間では 共有しません。単独成分表示時はその成分自身の max(画面を使い切る)です。コンター表示中も 輪郭線は成分固定色のままなので、色分けされた塗りの中でもどの成分の図かを判別できます。 カラーマップは Viridis(既定)・Plasma・Turbo・Jet・青-白-赤から選べます。
実質ゼロの成分(図を描かない条件)
成分の最大値が、同じ次元の成分の最大値に対して \( 10^{-9} \) 以下の比しか持たない場合は 「実質ゼロ」とみなして図を描きません。基準にする「同じ次元の成分」は、力が \( [N, Q_y, Q_z] \)、モーメントが \( [M_x, M_y, M_z] \) です。同じ次元の成分がすべて 0 の 場合も描きません。
該当するのは、モデルの性質上その成分が全部材でゼロになる場合です。既定のモデル化 (ねじり解放)で i 端ねじれをピンとした部材の \( M_x \)(部材全長で \( M_x = 0 \))や、平面フレームの \( Q_z \) が典型です。
図を描かない成分も、選択中であることが分かるよう凡例には行を残し、最大値の代わりに **「全部材ゼロ(図なし)」**と表示します。
数値の表示
「値を表示」を有効にすると、各部材の両端部と中央(\( \xi = 0,\ 0.5,\ 1.0 \))の値を、 各成分の図の輪郭上に成分固定色で描きます。表示は kN・kN·m の小数 1 桁です。 同単位グループの共有 max の 1% 未満の点はラベルを描きません(0 近傍のラベルが 重なって読めなくなるのを防ぐためで、張り出しピークが極小の部材の図自体を描かない扱いと 同じ方針です)。
変形の重ね表示
応力図の表示中に「変形表示」を有効にすると、変形図の表示倍率で変形させた節点 座標を基準に架構を描画します。応力図は変形後の材軸方向(成分ごとの 要素ローカル軸)へ張り出すため、図も変形形状に追従します。応力の値・最大値の正規化は変形の重ね 表示による影響を受けません。
さらに「内部たわみ」表示が有効なときは、梁の張り出しの基準線(張り出し量 0 の 線)を節点間の直線ではなく梁の変形後 Hermite 曲線とし、梁の描画曲線に沿って 応力図を描きます(基準線は梁の線描画と同一の曲線)。無効なときは変形後の節点間 直線を基準線とします。張り出し方向(成分ごとの局所軸)と応力値の正規化はいずれの 場合も変わりません。
耐震壁(壁エレメント)
壁エレメントの応力図は、モデル化図と同じ壁柱(上下辺中点を結ぶ仮想中央柱)を 材軸として描きます(4.5 壁エレメントモデル)。 四隅節点の先頭 2 点を結んだ下辺大梁とは一致しません。張り出し面・符号規約は線材と 同じです。壁柱の幾何を取れない壁は応力図を描きません。