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ヒンジ図の表示

表示モード「ヒンジ」では、増分解析(プッシュオーバー解析)で発生したヒンジの 位置を 3D ビュー上にマーカーで可視化します。どの部材のどちら側の材端から 塑性化が進んだか、どの端が終局に達したかを一目で確認できます。

増分解析の実行が前提です。増分解析が未実行の場合は、ヒンジ図の代わりに 解析の実行を促す案内のみを表示します。

ヒンジの集約

増分解析の結果は、閾値(ひび割れ・降伏・終局)を超過している間、同じ 部材・材端のヒンジ発生を毎ステップ記録します (5.7.1 曲げヒンジ判定(Mc・My・終局))。 ヒンジ図では、部材・材端(i端/j端)ごとにこれらを 1 件へまとめたうえで マーカーを表示します。集約後の1件は次を保持します。

  • 最高レベル: 記録されたレベルのうち最も進行したもの (ひび割れ < 降伏 < 終局)。
  • 最大塑性率: 記録された中での最大の塑性率 \( \mu \)。
  • 初出ステップ: そのヒンジが最初に記録された増分ステップ。

マーカーの表示位置と色

マーカーは各部材端(i端=elem.nodes[0] 側、j端=elem.nodes[1] 側)の近く に描きます。節点の直上に描くと同一節点に集まる複数部材のヒンジが重なって 判別できなくなるため、材軸に沿って材端から中点側へ 10% だけ寄せた位置に 塗りつぶし円で表示します。

色はヒンジレベルを表します。

  • ひび割れ: アンバー系の色の塗りつぶし円。
  • 降伏: 赤系の色の塗りつぶし円。
  • 終局: 紫系の色の塗りつぶし円。目立たせるため外周にリングを重ねて描く。

凡例とホバー詳細

ビュー左上に、レベルごとの色見本と件数(集約後の件数。ステップ間の重複は 含まない)を表示します。

部材の近く(8 px の許容距離)へポインタを重ねると、その部材にヒンジが 記録されていれば、i端・j端それぞれについて「i端: 降伏 (μ=2.31, step 12)」 のように、レベル・最大塑性率・初出ステップをツールチップで表示します。 ヒンジが記録されていない部材にはツールチップを表示しません。

ヒンジ詳細ウィンドウ

ヒンジが記録された部材をクリックすると、「ヒンジ詳細: 部材 #N」ウィンドウ (開閉・リサイズ可能)が開き、その部材のヒンジ状態を詳しく確認できます。 ウィンドウは他の表示モードへ切り替えても、閉じるまで表示されたままです。

ウィンドウの先頭には、上記と同じ i端・j端の集約ヒンジ情報(レベル・最大 塑性率・初出ステップ)を表示し、続けて採用する曲げ面(強軸 Mz/弱軸 My。 最終ステップで i端・j端のうち絶対値が大きい成分の軸を採用)を示します。 その後、部材の性質に応じて次の図を表示します。

M-θ カーブ(荷重変形カーブ)

ヒンジが記録された部材であれば常に表示します。横軸は材端回転角 \( |\theta| \)(弦からの回転、絶対値)、縦軸はその材端の曲げモーメント \( |M| \)(採用した曲げ面の成分、絶対値)で、増分解析の全ステップに渡る i端・j端それぞれの応答を折れ線で示します(ヒンジが記録されている端のみ)。 最終ステップの点をマーカーで強調します。

N-M 相関図

軸力を受ける部材(鉛直材=柱、またはファイバー要素・マルチスプリング要素・ ブレースなどファイバー系のモデル化をされた部材)にのみ表示します。上段に 3D ワイヤーフレーム、下段に採用曲げ面での 2D スライスを続けて表示します。

  • 3D ワイヤーフレーム: 断面のファイバー分割から算定した N-My-Mz 相関曲面 (軸力と 2 軸の曲げモーメントがなす 3 次元の耐力曲面)を、経線方向・周方向の 格子線で表示します。軸は My・Mz・N(引張を正)。応答経路(各ステップで i端・j端のうち合成曲げ \( \sqrt{M_y^2+M_z^2} \) が大きい方の端の \( (M_y, M_z, N) \))を、無載荷状態(原点)を始点として折れ線で重ねます。 マウス操作は左ドラッグで回転、右ドラッグで平行移動、スクロール(ピンチ)で ズームです。
  • 2D スライス: 採用曲げ面(強軸 Mz/弱軸 My)での N-M 相関曲線(正曲げ側・ 負曲げ側の 2 本)に、増分解析の各ステップの応答(採用面の端モーメントと 軸力)を経路として重ねて表示します。軸は横軸に曲げモーメント M [kN・m]、 縦軸に軸力 N [kN](圧縮を正)を取り、いわゆる P-M 相関図と同じ向きです。 応答経路は無載荷状態(原点)を始点とし、最終点をマーカーで強調します。

断面形状が未定義の部材では表示できない旨を案内します。

ファイバー断面の塑性化マップ

ファイバー定式化の部材(ファイバー梁・マルチスプリング梁)で、ヒンジが記録された ものにのみ表示します。マルチスプリング梁は端部塑性化域を粗く分割したファイバー梁と 同じ定式化のため、ファイバー梁と同様に断面内の状態を表示できます。ヒンジのある端 (i端・j端)ごとに、終局(最終確定ステップ)時点のその端に最も近いガウス点 断面を選び、断面内のファイバーを位置 (y, z) の散布図として表示します。両端に ヒンジがあれば 2 断面を横に並べます。

  • 色は材料区分を表します: コンクリート(母材格子)はグレー系、主筋 (鉄筋)は赤系、鋼材(形鋼・鋼管・内蔵鉄骨)は青系です。プロット下に色見本 の凡例を表示します。
  • 降伏状態は明度と形状で重ねて表します: 降伏比 \( |\varepsilon|/\varepsilon_{\text{ref}} \) が 1 未満のファイバーは 材料色を淡くした色(未降伏)、1 以上のファイバーは材料色そのまま+外周 リングで強調し(降伏)、さらに引張ひずみは丸、圧縮ひずみはひし形で区別 します。
  • 主筋・鋼材(点ファイバー)は、母材格子のファイバーよりやや大きい円・ ひし形で描き、視認性を高めています。
  • 見出しに断面位置(材軸位置 \( \xi \)。−1 側が i端、+1 側が j端)と、 「降伏ファイバー n/全 m」を表示します。
  • 断面の外形線を、ファイバー点より目立たない中間色の細線でファイバーの背後 に重ねて表示します。角形鋼管・鋼管・CFT など中空断面は、外側輪郭に加えて 内側輪郭(中空部の境界)も描くため、ファイバー配置が断面形状(中空か中実 か、外形寸法)と対応しているかを目視で確認できます。

データがない場合

増分解析結果に部材応答履歴(M-θ・N-M 応答経路のもとになるデータ)がない 場合(結果ファイルが本機能の追加前に生成されたものである場合など)は、 再解析すると詳細を表示できる旨を案内します。