時刻歴アニメーションの表示
表示モード「時刻歴」では、時刻歴応答解析の詳細記録(間引きされたフレーム ごとの全節点変位・部材内力)を 3D ビュー上でアニメーション再生します。 地震応答の時々刻々の変形の様子を確認できます。
時刻歴応答解析の実行が前提です。詳細記録がない場合(結果ファイルが本機能の 追加前に生成されたものである場合や、保存時に詳細記録を除外した場合など)は、 表示モードの選択肢自体に「時刻歴」が現れません。
詳細記録はプロジェクトファイル(.scz)に保存され、読み込み直後から アニメーション・部材履歴を確認できます。詳細記録はデータ量が大きい (実建物規模の解析では数百 MB 級になり得る)ため、解析結果の保存サイズが 512 MB を超える場合は、保存時に「時刻歴の詳細記録を保存に含めますか?」の 確認が表示されます。除外して保存した場合も、層応答の集計値・ピーク値などは 別に保存され、詳細記録は時刻歴応答解析の再実行で復元できます。
フレームと変形表示
詳細記録は、解析の全ステップのうち一定間隔(record_every ステップごと)
で間引いた時刻のみを保持します。ビューには次のフレーム制御を表示します。
- フレームスライダー: 0 から最終フレームまでの範囲で現在フレームを選択 します。ラベルには現在時刻 \( t \) [s] と総時間を表示します。
- 再生/一時停止ボタン(▶/⏸): 再生中は実時間の経過に再生速度を掛けた だけフレーム時刻を進め、最終フレームに達すると先頭へ周回します。
- 再生速度: ×0.25/×0.5/×1/×2 から選択します。
現在フレームの全節点変位は、変形図(表示モード「変形」)と同じ描画経路で 表示します。変形倍率スライダー・内部たわみ(梁の Hermite 曲線)表示の 切り替えも変形図と共通です。ただし自動倍率は、現在フレームではなく 解析全体を通じた最大変位(全ステップの絶対値最大、間引きの影響を受け ません)から 1 回だけ算定した固定値を使います。フレームを切り替えても 倍率自体は変わらないため、振幅の小さい時刻でも表示が消えたり、逆に 過大な倍率になったりしません。
モデルを編集すると、再解析するまで時刻歴モードの変形アニメーション・ 部材クリックは無効化され、「モデルが編集されています。解析を再実行して ください」と案内します(編集前後で部材の並びが変わり、別の部材の記録を 誤って表示する事態を防ぐためです)。開いている部材の履歴・検定ウィンドウ がある場合も同様に、プロット・検定を隠して同じ案内を表示します。
部材の履歴・検定ウィンドウ
時刻歴モードで部材をクリックすると、「時刻歴詳細: 部材 #N」ウィンドウ (開閉・リサイズ可能)が開きます。ウィンドウは他の表示モードへ切り替えても、 閉じるまで表示されたままです。
荷重変形関係の履歴ループ
部材の種別に応じて、次のいずれかのループ図(横軸・縦軸とも解析全フレームの 値を結んだ折れ線)を表示します。現在フレームの位置はループ上にマーカーで 示し、フレームスライダーと連動します。
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軸力系(ブレース・ダンパー・免震・節点ばね要素): 軸力 N [kN](引張を 正)と軸方向相対変位 \( \delta \) [mm] の関係。\( \delta \) は部材両端 の変位差(並進成分)を、未変形時の材軸方向(i端→j端の単位ベクトル)へ 射影した値です。
免震支承・節点ばねのように部材長がほぼ 0 の要素は材軸方向が定まらない ため、代わりに要素ローカル軸の成分(軸/せん断y/せん断z)を切り替えて 表示します。免震支承は水平方向のせん断力とせん断変位の関係(局所 y 軸) を既定表示にします(免震の応答確認では水平ループが主な関心事のため)。 局所軸は免震支承が軸=鉛直・せん断=水平、それ以外(節点ばね等)は 全体座標系と同じ向きです。
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梁・柱: 材端モーメント M [kN・m] と材端回転角 \( \theta \) [rad] (弦からのたわみ角)の関係。強軸(Mz・θz)/弱軸(My・θy)を切り替え られ、i端・j端をそれぞれ色分けして重ねて表示します。
\( \theta \) は、部材端の節点回転から「弦回転」(両端の並進変位差を 部材長で除した値)を差し引いた回転角です。弦回転は部材全体の剛体的な 傾き(層間変形相当)を表すため、これを差し引くことで材端そのものの 曲げ変形(たわみ角)だけを取り出します。
要素の内力が記録されていない場合(免震・ダンパー要素など、内力分布を 持たない要素定式化の場合)は、ループの代わりに記録がない旨を案内します。
最大応力に対する検定
全ステップを通じた部材内力の包絡値(各成分の絶対値最大値。符号は極値の 符号を保持)を用いて、短期の断面検定を行います。断面・材料の種別に応じて 鉄筋コンクリート・鋼・SRC・CFT のいずれかの検定式を適用し、検定位置ごとに 検定比・判定(OK/NG)・検定式別の内訳を表示します。判定色は検定比図 (検定比の表示)と同じ配色(緑=良好/黄=注意/ 赤=超過)です。
次の部材・要素は検定対象外とし、その旨を案内します。
- 断面または材料が未設定の部材(免震・ダンパー・節点ばね要素など、 断面検定という概念自体が当てはまらない要素を含む)。
- 壁・シェル・パネルゾーン要素(断面検定の部材種別(梁・柱・ブレース)に 当てはまらない要素)。
この検定は座屈長さを部材長(座屈長さ係数 K=1 相当)として評価する簡易的な ものです。鋼継手の欠損・一本部材指定による応力合成・地震時短期の設計用 せん断力 QD の長期内力割増などは考慮しません。また各成分(軸力・せん断力・ 曲げモーメント)の最大値はそれぞれ全ステップを通じた絶対値最大(包絡値) であり、同一時刻に生じたとは限りません。実際には同時に生じない組合せを 検定している可能性があるため、安全側ではありますが過大評価になり得ます。
線形の時刻歴応答解析では、地震動による応答成分のみを検定しており、長期 荷重(固定・積載等)との重ね合わせは含みません。非線形の時刻歴応答解析 では、長期荷重を初期状態として考慮する設定にしていた場合はその旨、 していない場合は水平力のみの結果である旨を、検定結果の上に注記します。