Keyboard shortcuts

Press or to navigate between chapters

Press S or / to search in the book

Press ? to show this help

Press Esc to hide this help

1.7 荷重の入力(節点荷重・部材荷重)

荷重は、荷重ケースの中に節点荷重と部材荷重として定義します。 本節では、それぞれで何を指定でき、入力した値が解析へどう入るかを説明します。

荷重の入力は、左パネルのナビゲータにある「荷重ケース」から行います。 荷重ケース・種別グループ・個別の荷重のいずれかを右クリックすると、追加・編集・削除の メニューが出ます。入力した内容は下ドックの「荷重」タブでも一覧・編集できます。

荷重ケースの構成

ナビゲータの荷重ケースは、次の 3 階層で表示します。

  1. 荷重ケース(DL・LL(架構用)・EX など)
  2. 種別グループ(節点荷重・部材荷重)
  3. 個別の荷重

種別グループを分けているのは、節点荷重が 6 成分の力とモーメントを持つのに対し、部材荷重は 載荷の形と作用方向を持つというように、指定する内容がそもそも異なるためです。

個別の荷重をクリックすると、その荷重が載っている節点・部材が 3D ビューで選択状態になります。 名称だけでは位置がわからないため、モデル上のどこに載っているかを確かめられるようにしています。

振動荷重ケースとの違い

ナビゲータには、静的な荷重ケースとは別に 振動荷重ケース があります。 時刻歴応答解析(立体)と質点系時刻歴を実行したときにだけ登録され、波形・加振方向・ 線形/非線形(質点系では次元も)を表します。 節点荷重や部材荷重を載せる入れ物ではないため、本節の荷重入力の対象外です。 ツリーの見方とクリック時の表示切替は ナビゲータの解析結果ツリー を参照してください。

節点荷重

節点荷重は、節点に作用する力とモーメントを全体座標系の 6 成分で与えます。 単位は力(Fx・Fy・Fz)が N、モーメント(Mx・My・Mz)が N·mm です。

1 つの節点に何件でも定義できます。 たとえば同じ柱頭に載る機器の重量と吊り物の重量を別々の荷重として入力し、それぞれに名称を 付けておくと、あとからどちらがどれだけを占めていたかをたどれます。 解析では、同じ節点に載る荷重をすべて加算した値を外力とします。

部材荷重

部材荷重は、載荷の形(種別)・作用方向・諸元の 3 つで指定します。 位置と長さは、部材の i 端から材軸に沿って測った距離 [mm] で与えます。

種別諸元内容
中間集中a [mm]、P [N]i 端から距離 a の位置に大きさ P の集中荷重
等分布w [N/mm]材長全体に強度 w の等分布荷重
台形a・b [mm]、w1・w2 [N/mm]区間 [a, b] に強度 w1 → w2 の線形分布荷重

既定の種別は等分布、既定の作用方向は鉛直下向き(-Z)です。 作用方向は全体座標系で指定し、鉛直下(-Z)・鉛直上(+Z)・X±・Y± から選びます。

台形では b > a となるように入力してください。 区間の長さが 0 以下の荷重は載荷位置が定まらないため、追加・更新の際にエラーになります。

荷重を載せられる部材

部材荷重を載せられるのは、2 節点の線材です。 具体的には梁・柱・ブレースと、非線形解析用の梁要素(ファイバー梁・マルチスプリング梁)が 対象になります。3D ビューでこれら以外をクリックしても選択されません。

壁・スラブのような面要素を対象から外しているのは、材軸方向という概念を持たない要素に部材 荷重を紐付けると、先頭の 2 節点を材端とみなして荷重が誤って配られるためです。 床に載る荷重は、スラブの床荷重として入力してください (1.3 床荷重の分配)。

ブレースに載せる荷重

ブレースは軸剛性のみを持つトラス要素としてモデル化するため、材軸に直交する方向の荷重を 部材として負担できません。そこで、ブレースを対象に選んだ場合は作用方向を材軸方向に 限定します。仕上げ荷重のような鉛直方向の荷重をブレースに載せたい場合も、この扱いになります。

材軸に直交する成分は、材端モーメントを生じない静定分配で両端の節点へ配ります。 配り方は単純梁の反力と同じで、合力と作用位置が保存されるため、建物の総重量や支点反力は この扱いによって変わりません(4.3 部材荷重)。

準備計算が生成する荷重との区別

荷重ケースの中身には、利用者が入力した荷重と、準備計算が生成した荷重の 2 つがあります。 準備計算が生成するのは、スラブの床荷重の分配・躯体の自重・地震力(Ai 分布)の水平力で、 標準荷重ケース DL・LL(架構用)・LL(地震用)・EX・EY へ書き込まれます。

準備計算が生成した荷重は、実行のたびに算定し直して入れ替わります。 このため編集しても次の実行で失われることになり、編集・削除はできないようにしています。 一方で利用者が入力した荷重はこの入れ替えの対象外なので、DL や EX のような自動生成の 荷重ケースへ荷重を足しても消えません

表示は次のように分けています。

  • ナビゲータの荷重ツリー:利用者が入力した荷重のみ
  • 下ドックの「荷重」タブ:両方を表示。準備計算が生成した荷重は読み取り専用
  • 準備計算タブの荷重集計:両方を合算した件数と合力

ナビゲータに準備計算の荷重を出さないのは、床荷重を分配した部材荷重が数百件に達することも あり、編集できない行の中に手入力の荷重が埋もれるためです。 準備計算が何を生成したかは、下ドックの「荷重」タブと準備計算タブで確認できます。

荷重の名称

節点荷重・部材荷重には、それぞれ名称を付けられます。 「機器荷重」「外壁の仕上げ荷重」のように書いておくと、あとからその荷重が何であったかを たどれるようになります。

名称は未入力でもかまいません。 未入力の場合は、節点荷重なら零でない成分(Fz=-10.0 など)、部材荷重なら種別と諸元 (分布 [0,6000] w1=2.50 w2=2.50 など)から作った自動ラベルを一覧に表示します。 準備計算が生成した荷重は名称を持たないため、下ドックの「荷重」タブでは「(自動計算)」と 表示します。

対象の節点・部材の選び方

荷重を追加・編集するとき、対象の節点・部材は3D ビューでクリックして選びます。 実務規模のモデルでは節点も部材も数百を超え、ID を並べた一覧からでは目的のものを選べません。

入力ダイアログの「3D で選択」を押すと、入力中の内容を保ったままダイアログが閉じ、選択待ちに 入ります。3D ビューでクリックすると対象が仮選択され、Enter で確定するとダイアログへ戻るため、 確定する前であれば何度でもクリックし直して選び直せます。 選択そのものをやめる場合は Esc を押してください。

3D ビューが表示されないタブ(結果・設計・レポート)で荷重の追加を選んだ場合は、モデルタブへ 自動的に切り替わります。節点荷重では、あらかじめ節点を選択していればそれが初期値になります。

選択待ちの間もモデルの編集や undo は行えるため、確定時に対象が存在するかを確認します。 編集の場合は、ダイアログを開いた時点の内容と一致するかも確認し、別の荷重に変わっていれば エラーとして選び直しを促します。

実装:荷重は squid_n_core::modelNodalLoadMemberLoadload.rs)が保持し、 生成元の区別を LoadSource が持ちます。編集は squid_n_editAddNodalLoadSetNodalLoadDeleteNodalLoadAddMemberLoadSetMemberLoadDeleteMemberLoad が 行います。準備計算による入れ替えは LoadCase::replace_auto_loads が扱い、生成元が自動の 荷重だけを対象にします。