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数量積算の算定式

建物モデルの部材・スラブ・壁から、部位別にコンクリート体積 [m³]・型枠面積 [m²]・ 鉄筋重量 [t]・鉄骨重量 [t]・鉄筋継手個所数を、構造計算プログラムで慣用される 概算数量の拾い出し規則により集計します。

入力の適用範囲

主架構線材 Beam・Fiber・MultiSpring・Brace は異なる2つの NodeId による対応入力に限ります。断面未割当や床なしでも、0・1・3節点以上と同一ID二重指定を ElemId・kind・実節点数・期待2・入力NodeId列付きで拒否します。先頭2節点の採用や自動分割による救済、部分成功や数量0への置換はしません。GUIは「未算定」、CSVは [数量積算 未算定]、MCPは status=unavailable・totals=null と同じ理由を示します。正常な2節点の数量長と支持軸は同じ端点を使います。この制限は本製品の入力契約であり、多節点梁理論の制限ではありません。

記号・単位

記号意味単位
\( H \)柱の長さ(床上〜床上)mm
\( L \)部材の内法長さ(鋼材・二次部材では材長)mm
\( B, D \)梁・柱の断面幅・断面せいmm
\( D_x, D_y \)柱の X・Y 方向の断面せいmm
\( n \)鉄筋・せん断補強筋の本数-
\( S \)壁筋の定着長さmm
\( p_{wh}, p_{wv} \)壁の明示横筋比・縦筋比(全厚内の両面合計)-

各部位共通事項

  • 鉄筋(RC 造): フック・余長・重ね継手長さ・溶接継手長さは考慮しない。

  • 鉄骨(S 造): 鉄骨重量は次式による。

    \[ W = L \times A \times 7.85 \]

    ここで \(W\): 鉄骨重量 [t]、\(L\): 鋼材長さ [m]、\(A\): 鋼材断面積 [m²]、 7.85 t/m³: 鉄骨単位重量(積算の慣用値・固定値)。

    荷重計算(固定荷重・地震用重量)の鋼材設計用単位体積重量 \( \gamma_s = 78.5\ \text{kN/m}^3 \)、動的解析の物理質量密度 7.85 t/m³ とは用途が 別であり、数量積算の重量はすべて積算の慣用値 7.85 t/m³ によります(値が同じでも 独立の用途。固定荷重は 78.5 kN/m³、質量行列は物理密度 7.85 t/m³)。

  • SRC 造: コンクリート体積は内蔵鉄骨の体積を差し引かずに計算する。

鉄筋の長さ → 重量の換算は JIS G 3112 の単位質量(D10=0.560、D13=0.995、 D16=1.56、D19=2.25、D22=3.04、D25=3.98 kg/m …)によります。 表の呼び径から±1 mm以内は対応する表値を使い、一致しない径は幾何面積πd²/4 [mm²]に 0.00785 kg/(mm²·m)を乗じた概算単位質量で換算します。

部材の分類

主架構の柱・梁は、割当断面の明示用途(柱・梁)で 分類します。梁用途の内訳は、柱との端節点の共有と最下標高との関係で分けます。 二次部材は、配置時の種別(小梁・間柱)で分類します。部材の角度から用途を推定しません。

部位判定
柱主架構の柱用途の線材(傾斜柱を含む)、または二次部材の間柱
基礎梁主架構の梁用途の線材で、両端標高と最下標高との差がそれぞれ 10 mm 未満、かつ端節点の少なくとも一方を主架構の柱用途の線材と共有するもの
大梁主架構の梁用途の線材で、端節点の少なくとも一方を主架構の柱用途の線材と共有し、基礎梁に該当しないもの
小梁主架構の梁用途の線材で、どちらの端節点も主架構の柱用途の線材と共有しないもの、および二次部材の小梁(実部材との集約条件を満たす場合は線材側のみ)
床・片持ち床床領域の版(主架構が囲む領域は「床」、主架構に取り付く領域は「片持ち床」)
壁壁・シェル要素(3 節点以上)
ブレースElementKind::Brace

ここで最下標高は、主架構の曲げ線材(柱・梁を含む、2 節点以上)の先頭 2 節点を 対象とした最小標高です。基礎梁・大梁・小梁の分類に水平条件はなく、勾配梁も 梁用途のまま上表で分類します。標高差がちょうど 10 mm の端を持つ梁は基礎梁に含めません。

構造種別(RC/S/SRC/CFT)は構造種別の判定によります。 複合断面(SRC・CFT)は断面形状で、それ以外は材料の区分で決まります (剛域・仕口パネル要素・一次設計の検定器選択と同じ規則)。

小梁・間柱に CFT 断面が割り当てられている場合は、数量積算全体を未算定とし、部材 ID・種別・断面 ID と禁止理由を示します。断面用途が柱でも、領域内・所属未割当の二次部材は対象外です。鋼管だけの重量を正常な合計として返しません。画面・CSV・外部連携でも同じ未算定状態を表示します。CFT の対応範囲は断面用途を参照してください。

柱

柱長さ \(H\) は両端節点間の実長とし、フェイス控除しません。傾斜材も鉛直投影長ではなく実長を用います。

  • コンクリート体積: \( D_x \times D_y \times H \)(円形柱は \(\pi D^2/4 \times H\))
  • 型枠面積: \( 2 \times (D_x + D_y) \times H \)(円形柱は \(\pi D H\))
  • 主筋: すべての柱で長さ \(H\) として算定します。X・Y 方向で鉄筋径が異なる場合も 隅の重なり合う部分は差し引きません(\(n = n_x + n_y\) 本)。
  • フープ: 一組の長さ \( n_x \times D_x + n_y \times D_y \)、 本数 \( H / \text{ピッチ} \)。一組の本数 \(n_x=n_y\) は実配筋(RectColumnHoop)の 脚数(legs_x・legs_y)を用います。
  • 鉄筋継手: 柱頭・柱脚通しの主筋(=min(柱頭本数, 柱脚本数)。単一断面のため 全主筋本数)について階ごとに 1 個所、階高 7.0 m 以上は 7.0 m 毎にさらに 1 個所を加えます。
  • 鉄骨(S・SRC・CFT): 種類別(断面名別)に長さと重量 \(W = L A \times 7.85\) を 集計します。SRC は内蔵 H 形鉄骨の断面積 \( 2 B_f t_f + (H_s - 2 t_f) t_w \) を用います。CFT は鋼管重量に加えて 充填コンクリート体積(内空断面 × H)を計上します(型枠は不要)。

大梁

寸法は柱フェイス間の内法長さ \( L = L_{node} - \mathrm{face}_i - \mathrm{face}_j \) (RigidZone::face_*)によります。

  • コンクリート体積(ハンチなし): \( B \times D \times L \)

  • コンクリート体積(ハンチ付き): \[ B \times D \times L + \frac{(B+B_i)(D+D_i)}{4} L_i + \frac{(B+B_j)(D+D_j)}{4} L_j \] (ハンチ部は平均断面 × ハンチ長さで加算。ハンチ寸法は部材付帯情報 (ハンチ長 \(L_i\)・せい増分・幅増分。剛性には影響しない属性)から取得し、 ハンチ端の全幅 \(B_i = B + \Delta B\)・全せい \(D_i = D + \Delta D\) へ 換算します。未入力の部材はハンチなし)

  • 型枠面積: \[ \left( \frac{D_1+D_2}{2} L + \frac{D_i-\max(D_1,D_2)}{2} L_i + \frac{D_j-\max(D_1,D_2)}{2} L_j \right) \times 2 + B L + \frac{B_i-B}{2} L_i + \frac{B_j-B}{2} L_j \] 床との接触がない場合は両側の側面せい D1・D2 をともに D とします。 床との接触がない場合のハンチ投影面積は上式で求め、各増分の負側は 0 にクランプします。 床が接するハンチ付き梁は、側面高さが一定でないため接触型枠の算定対象外です。 ハンチのない一定矩形梁は、次節の左右別接触面を控除します。

  • 主筋: 現状の部材モデルは全長 1 断面のため、1 断面(全断面)配筋の主筋長さで算定します。

    端部条件主筋 1 本の長さ
    外端 - 内端(タイプ 7)\( L_o + L_2 + D_c/2 \)
    両外端(タイプ 7a)\( L_o + L_2 \times 2 \)
    両内端(タイプ 8)\( L_o + D_c/2 \times 2 \)

    \(L_o\): 内法長さ、\(L_2\): 外端の定着長さ(既定 35d)、\(D_c/2\): 柱せいの 半分(フェイス距離)。端部が外端か内端かは、当該節点から梁軸方向 (±45°)に連続する別の水平梁の有無で判定します。 2 断面・3 断面配筋(端部・中央の断面分割、カットオフ筋 +15d。タイプ 1〜6)は 部材が断面分割を持たないため対象外。

  • スターラップ: 一組の長さ \( 2 B + n D \)(\(n\): 一組の本数 = legs)、 本数 \( L_o / \text{ピッチ} \)。

  • 腹筋・幅止筋: 段数(入力値)がモデルにないため計上しません。

  • 鉄筋継手: 梁毎に主筋 1 本あたり 0.5 個所、梁長さ 5.0 m 以上は 5.0 m 毎に 0.5 個所を加えます(圧接個所数として集計)。

梁と床の接続面の控除

水平で一定矩形断面の RC・SRC 梁(大梁・主架構小梁・二次小梁)では、 底面と両側面から、左右それぞれの実際の床接触面の和集合を控除します。 梁上面は対象に含めません。同側で重なる床の接触面は一度だけ控除します。

梁の対象内法長を \(L\)、幅を \(B\)、せいを \(D\)、左右の接触集合を \(C_{left},C_{right}\) とすると、mm 系の入力による型枠面積 [m²] は

\[ F = [BL+2DL-\operatorname{area}(\cup C_{left})-\operatorname{area}(\cup C_{right})]\times10^{-6} \]

です。接触面は材軸方向の取付き区間と、床・梁の上下端高さの共通部分で決まります。 柱フェイス距離を持つ梁では接触区間も同じ内法区間へ切り詰めます。 片側床・左右異厚・部分取付き・床の上下ずれを区別し、露出側面高さが負にはなりません。 床厚の最大値と枚数の積、剛性用の厚さ、荷重用の代表厚さは接触面の代用にしません。

入力・単位・適用条件

入力単位・意味適用条件・数量への反映
支持材・床板支持材ID・床板ID主架構は2節点梁に適用。床の割当領域の有向境界を使用。節点IDが異なっても床境界と梁の平面材軸が接すれば幾何照合する
有向材軸区間始端0・終端1の無次元区間取付き区間を梁内法へ切り詰める。方向から左右を区別する
実厚mm、床へ割り当てた断面の板厚正かつ有限。未割当・参照不明・不正厚は未算定の理由を表示する
床上面・下面mm、基準階FL+床上面偏心・その上面から実厚を減じた高さ水平床の実在する区間だけを控除する。支持材Zから床標高を代用しない
梁上端・下端mm、実材軸の標高に断面せいの半分を加減した高さ基準両端位置から梁の一律鉛直偏心を反映した実材軸を使う。断面せい方向が鉛直の一定矩形RC・SRC梁に適用する
型枠対象長さmm、主架構は柱フェイス間、二次小梁は解決端点間主架構で両端フェイス距離未算定の場合は既存の節点間長を使う
版なし・未設定NoPlate / Unset版なしは接触なし。未設定は数量未確定として集計を停止する
剛性算入数量接触とは独立剛性計算用スラブ厚0でも、実在床の接触を維持する。現入力には床ごとの算入boolはない
幾何許容差材軸接触10 mm、水平レベル1 mm既存の共通幾何判定値を使う。面積を丸めて接触を作らない

左右の接触は、その材軸区間に接する床の実際の内側に合わせて区別します。 水平レベルの許容差は幾何照合用です。接触型枠の数量を確定するには、梁上端と床上面が それぞれ一定の実標高である必要があります。梁に許容差内の微小な高低差がある場合も、 梁の実高さを水平化することなく接触数量を未算定とします。床の実上面は支持材の高さと独立です。

床板の面積・体積と接触控除には、床板の鉛直配置を共通に使います。 床偏心・FL・板厚の変更は接触範囲へ反映し、支持節点のZ変更だけで床の面積や実体積を増やしません。 床配置に必要な基準階・FL・偏心・断面・実厚が欠落または不正な場合は数量全体を未算定とします。 梁の実材軸は、大梁では両端節点、小梁では支持アンカーの解決位置を基準とし、 梁の一律鉛直偏心を上向き正で加えて求めます。未指定と明示0を区別し、SLからの距離には読み替えません。 梁偏心だけの変更と床偏心だけの変更は、それぞれの実標高と接触範囲へ独立に反映します。 これらの偏心の変更で、支持節点・支持アンカー・床の支持関係は変更しません。 梁の実配置に必要な偏心・位置・断面が未指定または不正な場合は、対象梁と理由を表示して数量を未算定とします。 傾斜梁・傾斜床、断面せい方向が鉛直でない梁、一定矩形でない梁、接触のあるハンチ梁は未対応です。 梁の実配置が解決しても、傾斜梁の接触型枠を算定できることにはなりません。 床接触を持つ2節点以外の主架構梁も、支持材ID付きの理由を表示して未算定とします。 床が傾斜梁の終端付近だけに接触する場合も、材端の入力順によらず未算定とします。 自己交差境界、解決できない支持材・床板・断面の参照も算定できません。 支持材が指定する断面IDが不明な場合は、支持材IDを含む未算定理由を表示します。 断面未割当線は床境界用の線と数量対象の実梁を区別する情報がないため、既存の扱いでは 梁数量に含めません。数量対象梁には有効な断面を割り当ててください。 接触対象梁の断面幅・せいは形状の寸法を正とし、非正・非有限寸法、不正な内法区間、 有限範囲を超える接触・型枠面積は拒否します。 支持アンカーを持つ二次小梁は解決端点間の基準材軸に鉛直偏心を反映し、端点にモデル節点がなくても同じ接触控除を適用します。 支持アンカーのない小梁は実配置を解決できないため、接触型枠を未算定とします。 実部材との集約条件を満たす小梁は実梁側だけで接触控除を集計します。 接触条件が未対応の場合は、床なしの基本型枠面積で代用せず数量全体を未算定とします。 GUIの数量積算には未算定の理由を表示し、MCPは未算定状態、CSVは理由を出力します。

開口・床の欠けは、実際に床を置いた境界で分けて入力してください。 梁に接しない区間や、明示的に版なしとした領域は控除しません。 床板内の孔を面積だけで指定して接触面から一律に差し引く入力はありません。

幅300・せい600・長さ6000 mmでは床なし9.0 m²、全長左右150/100 mmは7.5 m²、 片側150 mmは8.1 m²です。同側に100/150 mmの床を重ねても8.1 m²です。 左150 mmが前半3000 mmにだけ接する場合は8.55 m²で、同位置に100 mmを重ねても変わりません。

根拠と適用範囲

国土交通省大臣官房官庁営繕部『公共建築数量積算基準(令和5年改定)』 第4編第2章第2節1(2)1・2(本文p.12/PDF p.17)及び2(3)2(本文p.13/PDF p.18) の、梁側面・底面から梁と床板の接続面を控除する取扱いを根拠とします。 その他の接続部の1 m²以下の非控除例外は、梁と床板の接続へ適用しません。 左右別の集合・区間積分は、本機能の入力条件に対する幾何計算の定義です。 上記資料が左右別集合の式を直接規定しているという意味ではありません。 上面型枠、勾配部、施工条件、他部位の積算を含む数量全体系への適合は主張しません。

実装参照:sepika_design_jp::quantity::contact::Contacts(crates/sepika-design-jp/src/quantity/contact.rs)が接触和集合を、quantity::try_compute_quantity_takeoff(crates/sepika-design-jp/src/quantity/mod.rs)が数量集計と診断を扱います。梁の共通実配置は sepika_core::model::Model::beam_placement(crates/sepika-core/src/model/beam_placement.rs)で求めます。

基礎梁

コンクリート・鉄筋・継手は大梁と同じですが、型枠は基礎梁用の式

\[ D' L + \frac{D_i-D'}{2} L_i + \frac{D_j-D'}{2} L_j + B L + (B_i-B) L_i + (B_j-B) L_j \]

(側面 1 面+底面。大梁と異なり側面の ×2 は付きません)によります。 床との接触がない場合は断面せいをそのまま用います。床が接する場合は、片面算定の 対象側面を現在の入力から特定できないため、数量未確定の理由を表示します。 基礎フーチングはモデルに定義がないため対象外です。 型枠式で \(D_i-D'\)・\(B_i-B\) が負となる項は、大梁と同様に負側を 0 にクランプします。

小梁

  • コンクリート体積: \( B \times D \times L \)
  • 型枠面積: \( (B + 2 D) \times L \)(床接触面は左右別に控除)
  • 鉄筋: 主筋重量 = 小梁コンクリート体積 × 0.8%、スターラップ重量 = 同 × 0.1% (鉄筋比 × 体積 × 鋼比重 7.85 t/m³ で重量化)

二次部材の実長・階・明細

床領域・壁領域内と未割当の小梁・間柱を集計します。両端支持・片持ち・未解決端の座標を保持するものの いずれも、解決した両端座標の3次元実長を使います。材軸途中の取付き位置や片持ち自由端に モデル節点がなくても算定し、近傍節点への移動や接合部の長さ控除は行いません。 数量の参照によって節点・部材・取付き位置・材料指定は変更しません。 未解決端の数量が算定できることは、荷重を伝達できる支持の保証ではありません。

RC・SRCの矩形小梁は上記の体積・型枠、矩形間柱は柱と同じ体積・側面型枠、 円形RC間柱は次節の式によります。Sの鉄骨は解決した鋼材断面積と実長で \(W=LA\times7.85\) を求めます。二次部材の配筋とSRCの内蔵鉄骨の積算は含みません。 CFTの二次部材は前述のとおり使用できません。

数量の階は低い側の端点(同標高は始端)を基準として、次の順に確定します。

  1. 基準端点から10 mm以内の全節点について、有効な所属階が1種類だけならその階とします。
  2. 節点から決まらず基準端に支持部材の取付き位置がある場合、主架構の支持部材の両端が 同じ有効な階に属するときだけ採用します。他の二次部材が支持する場合は同じ規則でたどります。
  3. なお不明・競合の場合は階を「-」とし、二次部材ID付きの「階帰属未確定」の注記を付します。 数量は全体・部位別・構造別へ含め、鋼材は鉄骨種類別にも含めます。階別にも「-」の行を残します。

支持参照の循環は診断します。上下階をまたぐ支持材の材軸位置、最寄り階、最低階、 中点や断面の階文字列から補完しません。支持や節点の所属情報を変更すると、集計先の階も変わり得ます。 階帰属は材料の強度採用元とは独立で、階表示のために材料の参照元を変えません。

明細は二次部材IDごとに1行とし、画面・CSVでは SM{id} で要素・床板と区別します。 名称があればその名称、空なら断面名を表示します。 同じ完全な端点対(逆順を含む)を持つ2節点の実梁が一意に存在し、二次部材の種別・用途・ 断面・解決材料が一致する場合だけ線材側1本へ集約します。この場合の明細IDは実材の要素IDです。 小梁は基準端点対に加えて一律鉛直偏心の指定状態と値が一致することも必要です。 偏心が異なる場合や、一方が未指定で他方が明示0の場合は別の数量明細とします。 両方とも未指定の場合は他の条件が一致すれば集約しますが、床との接触控除に必要な偏心は 補完せず、未指定のまま接触判定が必要になれば数量全体を未算定とします。 間柱にはこの鉛直偏心の比較を適用しません。 支持主梁の途中に載るだけでは同じ実材としません。候補の複数存在・不一致・参照不明は 二次部材ID付きの診断とし、近接節点の配列順で対応を選びません。

断面・材料・形状の不足や不正、端点の解決不能、非有限座標、ゼロ実長、数量の数値範囲超過は、 二次部材IDと原因を示して数量全体を未算定とします。GUIは「未算定」、CSVは [数量積算 未算定]、MCPは status=unavailable・totals=null とします。 階だけが未確定の場合の数量保持とは区別してください。 材料はモデルの既存の採用元を用い、元の部材強度指定が断面指定より優先される場合も維持します。 供給断面積だけで材料不明を補うことはしません。

計算根拠と適用範囲:国土交通省大臣官房官庁営繕部 『公共建築数量積算基準(令和5年改定)』 (最終改定:令和5年3月29日)第4編第2章第2節2(2)1・2及び2(3)1・2 (本文p.13/PDF p.18)の、設計断面積と長さによる柱・梁の体積、柱側面と梁側面・底面の 型枠面積を根拠とします。端点間実長・接合部無控除・上記の階帰属とID表示は本製品の 概算数量契約であり、同基準の全規定や実施工数量への適合を意味しません。

円形RC間柱

RC の間柱に円形柱断面を割り当てた場合、断面の直径 \(D\) と解決した両端の 3 次元実長 \(L\) をそれぞれ mm で用い、コンクリート体積と側面型枠を算定します。 断面幅・せいや等面積の正方形へ置き換えません。主柱も同じ直径・同じ実長なら同じ数量です。

\[ V = \frac{\pi D^2 L}{4} \times 10^{-9}\quad [\mathrm{m}^3], \qquad F = \pi D L \times 10^{-6}\quad [\mathrm{m}^2] \]

円の断面積と円周から、体積は断面積×実長、側面積は円周×実長として幾何的に導いた式です。 D=400 mm、L=3000 mm の場合は V=0.3769911184 m³、F=3.7699111843 m² です。 集計中は丸めず、GUI・帳票での表示時に丸めます。部位は柱、階は前節の規則で確定し、 構造種別は RC とし、間柱名(未入力なら断面名)を明細に用います。

適用範囲・限界:解決端点間実長を数量長さとし、接合部控除、上面・底面型枠は追加しません。 二次部材の配筋は計上しません。断面・材料が無い場合や端点を解決できない場合は数量全体を未算定とし、 端点に対応するモデル節点が無いことだけでは集計対象から外しません。 直径または解決実長が有限かつ正でない場合は、対象二次部材 ID と原因を示して GUI・帳票・ヘッドレスの数量全体を未算定にします。矩形数量や 0 に置換しません。 数量が数値の有限範囲を超える場合も未算定です。

一次資料の記述:国土交通省大臣官房官庁営繕部 『公共建築数量積算基準(令和5年改定)』 (最終改定:令和5年3月29日、第4編第2章第2節2(2)、本文 p.13/PDF p.18)は、 柱コンクリートを設計断面積と長さによる体積、柱型枠をコンクリート側面の面積と定めています。 この記述が断面実形状による数量の根拠です。

本アプリの判断:端点間実長・接合部無控除は本アプリの概算数量契約です。 同資料の積算長や接続部の規定をすべて実装したものではなく、同基準への全面適合を意味しません。 矩形 RC/SRC、鋼材/CFT、小梁の既存数量規則は各節のとおりです。

床・片持ち床

  • 面積: 床板(スラブ)境界の多角形面積(Newell の公式)とし、床が配置されていない 部分は計算しません。
  • コンクリート体積: 面積 × 床厚としますが、デッキスラブのデッキ高さ控除は モデル未対応です。床厚は床ごとに割り当てた断面の板厚を用います (床の断面と自重)。断面が未割当の床は数量未算定です。 未入力を体積0へ置換せず、理由を表示します。
  • 型枠面積: 面積
  • 鉄筋重量: 床コンクリート体積 × 1.0%(片持ち床・出隅も同率)

壁(耐震壁・フレーム内雑壁)

  • 寸法: 幅は柱内法距離、高さは梁内法高さ(4 節点壁は周辺柱梁の断面寸法の 半分を芯々寸法から控除。自重算定 wall_clear_area_factor と同じ規則)としたうえで、 開口部面積を控除します。開口は壁版(WallPlate)が持ち、数量拾いの直前に 組み立てる解析用壁要素の合成属性(WallAttr)経由で読みます。
  • コンクリート体積: 面積 × 壁厚
  • 型枠(壁枠)面積: 面積 × 2

自立壁で高さに「階高」を指定した場合、壁下端から直上 SL までの高さを使います。 その解決に必要な FL・ΔSL が未設定なら、壁版 ID・階 ID と不足項目を示して数量算定を停止します。 未設定階を飛ばした高さや、コンクリート・型枠の正常数量を公開しません。高さを数値で明示した壁や、階高を必要としない数量は維持します。

方向別の壁筋概算

RC壁の横筋には明示横筋比 \(p_{wh}\)、縦筋には明示縦筋比 \(p_{wv}\) を用います。 各比は壁全厚 \(t\) 内の両面合計の鉄筋断面積比であり、面数を再度乗じません。 直交方向の最小比 \(p_s\) から方向比を補完しません。横筋だけを編集した場合、縦筋数量は変わりません。

仮定呼び径 \(d\) [mm]、定着係数 \(c\) [-] に対して、 断面積は幾何面積 \(A_d=\pi d^2/4\) [mm²]、定着長は \(S=cd\) [mm] とします。 これはJISの公称断面積による本数算定ではありません。

\[ n_h=\frac{p_{wh}tH}{A_d},\qquad n_v=\frac{p_{wv}tL}{A_d},\qquad \ell_h=n_h(L+2S)10^{-3},\qquad \ell_v=n_v(H+2S)10^{-3} \]

\(n_h,n_v\) は丸めない等価本数 [-]、\(\ell_h,\ell_v\) は総延長 [m] です。 重量 [t] はそれぞれ総延長に呼び径の単位質量 [kg/m] を乗じ、1000で除して求めます。 既定はD10(0.560 kg/m)、定着35dです。単位質量表と幾何面積を併用する本製品の概算仮定であり、 実際の径・ピッチ・配筋本数を拾い出した施工数量との照合を意味しません。

4節点壁は上記の内法寸法、内法を解決できない壁は多角形面積と高さから求める等価幅を用います。 開口面積はコンクリート・型枠から控除しますが、壁筋には開口欠損、開口補強、端部配置を詳細に反映しません。 フック・余長・重ね継手等も未考慮です。これらの省略を施工数量の安全側評価とは扱いません。

未入力・明示0と小計の読み方

方向比の未入力はその方向だけを未算定とし、入力済みの他方向、コンクリート、型枠の数量は保持します。 有限・非負の明示0は、その方向の延長・重量0を算定済みとして表示します。 これは構造上の最小配筋への適合を意味しません。降伏強度や解析耐力用材料の不足だけでは数量を拒否しません。 負値、NaN、正負の無限大は無効値です。壁厚・算定寸法・仮定径には有限・正、定着係数には有限・非負を要します。 換算結果が非有限の場合も、0への置換による成功にはしません。

GUI・CSV・MCPでは、部材明細と部位別・階別・構造種別・全体集計に鉄筋の完全性を付します。 未算定方向が含まれる重量は不完全小計で、算定できた鉄筋だけの和です。 対象がない集計は対象なし、不足がない集計は算定済み概算です。 未算定理由には要素ID、元壁版ID(対応する場合)、断面ID、横筋/縦筋を示します。 GUIは共有設定欄に仮定径・定着係数を、方向行に算定済みの総延長・重量・状態と未算定方向の理由を表示します。 CSV・MCPの方向明細には径も付します。 径別の重量・延長も算定済み分の小計なので、全体の完全性・理由を併せて確認してください。

上記「壁」の数量は、解析要素になる壁版(条件は 壁エレメントモデル)だけが対象です。

解析要素にならない壁版(取り付く壁版〔パラペット・腰壁・垂れ壁・自立壁〕、 間柱で分割された壁版、壁領域の一部を占める腰壁・垂れ壁など)は、壁版から直接 (開口控除後の正味面積×壁厚)算定し、雑壁の区分へコンクリート体積・型枠面積を 計上します。壁版から直接拾う経路の鉄筋積算は未実装で、横筋・縦筋とも理由付き未算定、 鉄筋重量は不完全小計とします。配筋量0の完全な数量とは扱いません。 断面・壁厚・境界が未解決または不正な壁版も、壁版ID・断面ID・方向・理由を持つ不完全な対象として残します。 その数値を完全な数量とは扱わず、入力を補完して再集計してください。 解析要素として拾った壁版は直接経路で再び数えません。 仕上げ・増打ちの面荷重は重さの入力であって厚さではないため、 コンクリート体積には含めません。この経路では周辺柱梁の 断面寸法の控除(内法化)を行わず、壁版の輪郭そのもの(芯々)で面積を求めます。 壁版は 取付き先や自由端を持ちうるため、四周の柱梁から内法を導く前提が成り立たないからです。 同じ壁でも、解析要素になる場合(内法)とならない場合(芯々)で数量がわずかに変わります。

ブレース

  • 長さ: 節点間距離 \( L_B = \sqrt{L^2 + H^2} \)
  • 各階・部材符号(断面名)毎に種類別の長さと重量 \( W = L_B \times A \times 7.85 \) を集計します。
  • 接合部のプレート・ボルト等は考慮しない。

算定係数の既定値(QuantityCfg)

項目既定意味
anchorage_dia_factor35主筋・壁筋の定着長さ係数(L2・S = 係数 × 呼び径)
assumed_wall_bar_dia10 mm壁筋の仮定呼び径(等価本数・定着長・単位質量換算に使用)
beam_main_ratio0.8%小梁主筋の鉄筋比(コンクリート体積比)
beam_stirrup_ratio0.1%小梁スターラップの鉄筋比
slab_rebar_ratio1.0%床・片持ち床の鉄筋比

数量積算パネルで仮定壁筋径と定着係数を編集できます。変更はUndo/Redoの対象で、 モデルの共有数量設定として.ovikaへ保存します。保存後に読み直したモデル、CSV、MCPも同じ設定で再集計します。 MCPのSetQuantityCfgも共有設定を編集します。定着係数は大梁・基礎梁の主筋定着にも使用します。 数量設定の変更では、標準RC密度による自重・解析質量・解析応答は変えず、既存の正常な解析成果を保持します。 積算した鉄筋重量を解析質量へ加算しません。

実装参照

  • 算定式(純関数): sepika_design_jp::quantity::member
  • 鉄筋単位質量: sepika_design_jp::quantity::rebar
  • 鋼材単位重量(7.85 t/m³): sepika_core::units::STEEL_UNIT_WEIGHT_TAKEOFF_T_M3(crates/sepika-core/src/units.rs)
  • モデル走査・集計: sepika_design_jp::quantity::try_compute_quantity_takeoff(モデルの共有数量設定。前提・未対応の注記は集計結果に付します)
  • GUI: sepika_app 設計タブ「数量積算」(部位別・階別・明細・鉄骨種類別・ 鉄筋径別の切替、CSV エクスポート)
  • CSV: sepika_app::summary::build_quantity_csv(レポート CSV にも [数量積算 *] セクションとして常時出力)
  • MCP: quantity_takeoff ツール(group_by = category / story / structure / steel / rebar / detail)