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構造特性係数 Ds

昭和55年建設省告示第1792号に基づき定める各階の構造特性係数 Ds は、次の 3 つの軸で決まります。

  1. 柱及びはりの部材群としての種別(A〜D)
  2. 耐力壁(RC)/筋かい(S)の部材群としての種別(A〜C)
  3. \( \beta_u \) — 耐力壁・筋かいの水平耐力の和を保有水平耐力で除した数値

部材群としての種別は、各部材の種別(RC は FA〜FD・WA〜WD、S は幅厚比区分 FA〜FD と筋かいの BA〜BC、SRC は判定比 \( N/N_0 \)・\( {}_sM_0/M_0 \) による FA〜FD と耐震壁の WA/WC)を耐力比 \( \gamma_A, \gamma_C \) で集計して定めます。個々の部材種別の判定条件、部材群としての種別の判定式、および Ds の値表は 部材ランク に示します。

SRC柱・壁の部材種別の算定は、SRC用Ds表を採用できることを意味しません。現在のRC/S選択とSRCへの制限はSRC造の計算ルートと適用範囲を参照してください。

Ds 用の部材応力・機構・βu は、同じ目的別確定評価点から採ります。保有耐力比較用の Qu や他 step の壁力を混合しません。群の耐力重みは同時点の負担力と区別します。採用点と釣合い診断は 保有水平耐力の判定 を参照してください。

本対応域のRC壁のせん断耐力には、その増分runで実際に採用した正負Quを使います。壁脚内力と初期耐力の入力一致・不足診断を適用し、Modelだけから耐力を再計算しません。

記号・単位

記号意味単位
\( \beta_u \)耐力壁・筋かいの水平耐力の和を保有水平耐力で除した数値-
\( \gamma_A \)種別 A の部材(筋かい BA・柱 FA)の耐力の和を全耐力で除した耐力比-
\( \gamma_C \)種別 C の部材(筋かい BC・柱 FC)についての耐力比-
\( N/N_0 \)SRC 柱の軸力比-
\( {}_sM_0/M_0 \)SRC 柱の鉄骨曲げ耐力比-

代表値(耐力壁・筋かいがない純ラーメンの場合)

柱及びはりの部材群としての種別ABCD
RC 造0.300.350.400.45
S 造0.250.300.350.40

耐力壁・筋かいを有する架構では \( \beta_u \) と壁・筋かいの部材群種別に応じて Ds が増大します(各階の構造特性係数 Ds(RC 造)・各階の構造特性係数 Ds(S 造) の表)。

崩壊機構の反映

解析上の全体崩壊・層崩壊・機構未形成の分類だけでは、Dsの適用条件を確定しません。層崩壊の層を一律に一段階悪化する補正は適用しません。

現在はRCの崩壊時破壊形式、非ヒンジ柱の該当性と接続梁種別、接合部で塑性ヒンジ又は脆性破壊を生じる部材の種別、S柱脚の形式・伸び能力・保有耐力接合を確定する入力が不足しています。対象の柱・梁・接合節点と不足条件を示し、Ds判定を保留して必要保有水平耐力・合否を算定不能とします。自動ランクと手動ランクのどちらでも同じ制限を適用し、FDの手動指定でも保証条件の確認に代用しません。設計画面・増分結果画面・CSVに不足理由を表示します。一般のRC/Sラーメンもこの制限の対象です。

接続梁の確認対象は加力方向ごとに示し、計算方向に直交する梁を除きます。接合部の表示部材は確認対象候補であり、全てがヒンジ・脆性部材であるとの判定ではありません。S柱は柱脚の有無・形式から未確認とし、露出柱脚と決め付けません。S柱とRC梁を含む架構では層外のRC梁も確認対象とし、基礎梁用途や限定換算の適用条件を未確認として示します。

ここでの「部分崩壊形」は機構未形成を表すプログラム上の分類です。特定階が崩壊形に達した状態を指す告示上の部分崩壊形とは区別してください。機構分類、解析終了、評価点の選択だけでは規準上の採用状態の成立を確認できません。Ds・Quの採用状態の確認も別途必要です。

崩壊機構に関する適用条件と確認範囲

確認根拠は『2025年版 建築物の構造関係技術基準解説書』第2版(2026年2月11日)、6.3.4(2) pp.397–400・403、付録1-2.6 付図1.2-25 p.670、6.4.4(2) pp.420・422–427 です。以下は条件の要約です。現在はこれらを自動で成立と判定する情報がなく、対象条件を理由付きで保留します。

対象規準上の条件と取扱い現在の利用上の制約
通常RCの層崩壊Dsを算定する階の崩壊時応力と破壊形式で部材種別を定めます。非ヒンジ柱は取り付く梁(計算方向と直交する方向に取り付く梁を除く)の種別を用います。異種別接合は、接合部で接合される部材のうち、崩壊時に塑性ヒンジ又は脆性破壊を生じる部材に限って最低種別を用います機構分類から層全体を一段階悪化する方式では代替できません。非ヒンジ柱・接合部・脆性破壊の個別確認が必要です
Sの非ヒンジ柱接続梁及び塑性ヒンジを形成する接合部材の種別に応じて柱種別を修正しますRC基礎梁の換算や露出柱脚の措置とは別の確認です
塑性化する露出柱脚アンカーボルトに伸び能力があり、保有耐力接合を満たさない場合は、履歴のスリップ化を考慮して1階Dsを0.05程度割増すなどの措置が必要です。保有耐力接合を満たす場合は柱ヒンジを仮定し、Dsは上部構造で決定します柱脚形式・伸び能力・保有耐力接合の成立を機構分類だけで確認できません。柱梁群Dの場合は付図の割増対象外です
伸び能力のないアンカーボルトの露出柱脚保有耐力接合を満たす設計が基本です。満たさない場合は柱梁群Dに対応するDsで1階Quを確認します一段階悪化や一律0.05加算へ置換できません。認定柱脚は認定条件の確認も必要です
S造のRC基礎梁に塑性ヒンジが生じる場合同書6.9.4 p.484はヒンジ部材の構造とランクに重点を置く取扱いを示しますRC種別をS種別へ一段階下げて換算する直接規定は、今回確認した同書の範囲では未確認です。限定した地域取扱いを一般条件として採用せず、適用条件とFDの扱いを別途確認してください

柱脚・接合部・基礎梁や破壊形式の情報不足を、一律補正・無補正・手動ランクで埋めません。保留は規準不適合の確定とも区別してください。

実装参照:sepika_design_jp::secondary::ds_group::{ds_rc, ds_steel} が告示の Ds 表を引き、sepika_design_jp::secondary::ds_group::member_group が耐力比 \( \gamma_A, \gamma_C \) から部材群としての種別を判定します。条件未確認時の保留は sepika_app::app::App::compute_holding_capacity(crates/sepika-app/src/app/actions/design/holding.rs)と条件判定(crates/sepika-app/src/app/actions/design/holding_conditions.rs)が担います。