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部材ランク(FA〜FD)

昭和55年建設省告示第1792号と学会規準(RC 靭性、S 幅厚比)に基づき、部材ランク FA〜FD を、RC はせん断余裕度で、S は幅厚比で判定します。

算定式

  • RC 部材種別: 下記のRC 部材の種別の多変数表(\( h_0/D \)・\( \sigma_0/F_c \)・\( p_t \)・\( \tau_u/F_c \))で判定する。
  • S 部材種別: 下記の鋼材の幅厚比種別の幅厚比限界値表(部材種別・断面・部位・鋼種別)で判定する。
  • SRC 部材種別: 下記のSRC 部材の種別の判定比(\( N/N_0 \)・\( {}_sM_0/M_0 \))と破壊モードの表で判定する。

実装参照:sepika_design_jp::secondary::ds_group が告示表による部材種別・部材群種別・Ds を、sepika_design_jp::secondary::width_thickness が幅厚比を算定します。

記号・単位

記号意味単位
\( h_0/D \)柱の内法高さと断面せいの比-
\( \sigma_0/F_c \)柱の軸方向応力度とコンクリート設計基準強度の比-
\( p_t \)引張鉄筋比%
\( \tau_u/F_c \)平均せん断応力度とコンクリート設計基準強度の比-
\( N/N_0 \)SRC 柱の軸力比-
\( {}_sM_0/M_0 \)SRC 柱の鉄骨曲げ耐力比-
\( Q_{su}, Q_{mu} \)終局せん断耐力・曲げ終局時せん断力N
\( \gamma_A, \gamma_C \)部材群の耐力比(A 種・C 種)-
\( \beta_u \)耐力壁・筋かいの水平耐力の和を保有水平耐力で除した数値-
\( r_2 \)耐力用の開口低減率-
\( Q_u \)耐震壁の終局せん断強度N

RC 部材の種別

柱及びはりの種別

いずれも「せん断破壊、付着割裂破壊及び圧縮破壊その他の構造耐力上支障のある急激な耐力の低下のおそれのある破壊を生じないこと」を満たすことが前提で、これを満たさない場合は FD とします。

種別柱 \( h_0/D \)柱 \( \sigma_0/F_c \)柱 \( p_t \)柱 \( \tau_u/F_c \)はり \( \tau_u/F_c \)
FA2.5 以上0.35 以下0.8 以下0.1 以下0.15 以下
FB2.0 以上0.45 以下1.0 以下0.125 以下0.2 以下
FC—0.55 以下—0.15 以下—
FDFA, FB 又は FC のいずれにも該当しない場合
  • \( h_0 \): 柱の内法高さ、\( D \): 加力方向の柱の断面せい
  • \( \sigma_0 \): Ds 算定時に柱の断面に生じる軸方向応力度
  • \( p_t \): 引張鉄筋比 [%]
  • \( F_c \): コンクリートの設計基準強度
  • \( \tau_u \): Ds 算定時に柱、梁の断面に生じる平均せん断応力度

本プログラムは \( \sigma_0, \tau_u \) を Ds 判定用に明示採用した確定 step の部材応答から算定し、急激な耐力低下のおそれのある破壊はせん断先行(\( Q_{su} < Q_{mu} \))で判定します。評価点の指定だけでは崩壊機構の成立を保証しません。採用点における機構を確認します。

耐力壁の種別

「せん断破壊、その他の構造耐力上支障のある急激な耐力の低下のおそれのある破壊を生じないこと」が前提です。

種別壁式構造以外の構造の耐力壁 \( \tau_u/F_c \)壁式構造の耐力壁 \( \tau_u/F_c \)
WA0.20 以下0.1 以下
WB0.25 以下0.125 以下
WC—0.15 以下
WDWA, WB, WC のいずれにも該当しない場合

Ds 判定時の平均せん断応力度

Ds 判定用に明示採用した確定 step の壁単体局所面内せん断力を \(Q_{Ds}\) として、次式を用います。

\[ \tau_u = \frac{|Q_{Ds}|}{t\cdot l_{cc}}, \qquad \frac{\tau_u}{F_c}=\frac{|Q_{Ds}|}{t\cdot l_{cc}\cdot F_c} \]

記号意味単位
\(Q_{Ds}\)同じ Ds 評価点の壁単体局所面内せん断力(符号付き)N
\(t\)壁板の実厚mm
\(l_{cc}\)左右の側柱の中心間距離mm
\(F_c\)壁コンクリートの設計基準強度N/mm²
\(\tau_u\)Ds 判定時の平均せん断応力度N/mm²

\(l_{cc}\) は壁板の内法長さと区別します。分母は壁厚と側柱中心間距離の積であり、側柱の全断面積や耐力用開口低減率 \(r_2\) を加えません。係数1.2も用いません。保有耐力比較用の \(Q_u\) や別 step の最大せん断力を \(Q_{Ds}\) に代用しません。

両側柱の寸法と適用表

壁板の実内法長さを \(l_{clear}\)、実内法高さを \(h_{clear}\) とし、\(s=\min(l_{clear},h_{clear})\) [mm] とします。左右それぞれの側柱について、実断面積 \(A_c\) [mm²] と最小径 \(d_{min}\) [mm] が次のすべてを満たす場合を寸法上の適格とします。

\[ A_c\ge\frac{st}{2},\qquad d_{min}\ge\sqrt{\frac{st}{3}},\qquad d_{min}\ge 2t \]

いずれか一方の側柱でも不足する場合は、上表の「壁式構造」の列を用います。不足の判定は厳密な「未満」であり、等号は適格です。設計タブの「壁式構造」チェックを入れた場合も壁式構造の列を用います。チェックの既定はオフですが、オフだけでは通常の列に決まりません。両側の寸法条件を満たす場合に通常の列を用います。階の構造種別からの自動切替は行いません。表の切替によって上式の \(\tau_u\) は変わりません。

矩形RC柱は実幅と実せいの積を \(A_c\)、小さい方を最小径とします。円形RC柱は実径から断面積と最小径を求めます。内法寸法は周辺の実支持材のフェース間から求め、柱心間距離や解析用剛域長で置換しません。

例えば、柱心間3000 mm、壁厚200 mm、内法2600×1500 mm、左右400 mm角、\(F_c=24\) N/mm²では、\(s=1500\) mm、各柱の断面積160000 mm²は必要150000 mm²以上、最小径400 mmは必要316.227766… mm以上で、\(2t=400\) mmの等号も満たします。非せん断破壊で \(Q_{Ds}=3.0\times10^6\) Nなら、\(\tau_u=5\) N/mm²、\(\tau_u/F_c=5/24=0.208333333\ldots\) となり通常表のWBです。内法高さだけを2400 mmにすると面積条件が不足し、同じ応力度比のまま壁式表を用います。

適用範囲と出典

自動判定は、無開口・矩形・同一鉛直面で、両側に非共有のRC柱を持つ単独RC壁を対象とします。壁版と壁単体応答の負担範囲、実支持材、左右の柱断面・材料を一意に確認できることが必要です。袖壁・開口付き壁、連スパンや直交する壁との共有側柱を含む壁群は対象外です。壁版の分割や支持材の分割等で対応が不明な場合も推定で受理しません。

壁厚・柱心間距離・内法寸法・柱断面・材料強度は正の有限値、応答Qは符号付き有限値を要求します。未対応・不明・不正のときは対象IDと理由を示して自動判定を停止し、0・WA・合格・指定ランクで補いません。手動判定を利用者が明示選択した場合に限り、設計タブの指定ランクを使用します。

出典は日本建築防災協会『令和5年度 構造設計者向け留意事項作成等事業 報告書』(2024年3月)、本文44頁/PDF46頁の、2015年版『建築物の構造関係技術基準解説書』393頁「②鉄筋コンクリート造耐力壁の靱性と破壊形式 c)」の公開引用です。平均せん断応力度の壁厚・側柱中心間距離による定義と、側柱断面積・最小径による表切替条件を採用します。この引用頁の確認は原書全体の照合や2020/2025年版との同一性を意味しません。別資料の \(1.2|Q|/\Sigma A\) による比較方式は本判定に用いません。

壁応答には、壁単体の局所面内せん断力 \(Q_w\) と加力方向への符号付き寄与 \(Q_{dir}\) を別々に記録します。定義・合成基準点・入力表と一次資料は壁単体の確定ステップ応答を参照してください。局所正負別 \(Q_u[+,-]\) の選択には \(Q_w\) の符号を用います。下辺a/bの反転では局所符号と耐力の張力側対応が一緒に反転します。

局所壁ランクの自動判定には、Ds 判定用に明示採用した同じ確定 step の \(|Q_w|\) を既存式へ渡します。層の βu は、その Ds 評価点での符号付き層切断面力から算定します。壁系の分子は面内壁パネルと切断面をまたぐ鉛直側柱の寄与、分母は同じ層・方向・run・入力世代・step の全体系の寄与です。共有側柱は壁系全体へ一度だけ計上し、柱梁側へ二重計上しません。境界梁を無条件に足すことも、局所 \(|Q_{dir}|\) を壁の層負担力として加算することもありません。局所壁応力の判定と、壁系全体の層力・βu の評価を区別します。層外力との釣合い、反転、開口・共有側柱などの独立回帰を検証していますが、多層をまたぐ壁や斜め壁など一般配置の網羅的 Validation は未完了です。

目的別に保持した解析条件と現在のモデル・材料・実荷重から確認した入力識別が一致しない結果、壁専用の確定履歴が未記録の結果、壁幾何の適用外、非有限な内力、上下力・モーメントの釣合い不成立は自動判定を拒否します。材料せん断ひずみと壁の線材用イベントは未提供であり、イベントなしを「塑性化なし」と読むことはできません。実測・原典例題による壁ランクのValidationは未完了です。

増分解析の壁要素は、面内せん断を終局せん断強度 \( Q_u \) で頭打ちにする弾完全塑性としてモデル化します。 Ds 判定用に明示採用した確定 step の局所面内せん断力の絶対値が \( Q_u \) の 99 % 以上(\( |Q_w| \ge 0.99\, Q_u \))に達したときは、せん断が頭打ちに達したとみなし、種別を WD とします。 数値誤差を見込んで 100 % ではなく 99 % で切るため、頭打ちの直前で WA〜WC に残ることを避けます。 \( Q_u \) が0以下・非有限で算定できないときは、自動判定をエラーとします。未対応や不正な耐力を0として判定しません。 終局せん断強度 \(Q_u\) の算定で用いる開口低減率 \(r_2\) は、Ds 平均せん断応力度の分母とは別です(壁エレメントモデル)。

実装参照:sepika_design_jp::secondary::ds_group(crates/sepika-design-jp/src/secondary/ds_group.rs)の rc_wall_tau_over_fc・rc_wall_side_column_eligible・rc_wall_type と、App::compute_holding_capacity(crates/sepika-app/src/app/actions/design/holding.rs)。

鋼材の幅厚比種別

鉄骨部材の種別は、板要素の幅厚比を限界値と比較して定めます(技術基準解説書「鋼材の幅厚比種別等」)。

幅厚比の計算方法

断面部位幅厚比
H 形鋼フランジ\( b/t_f \)(\( b \) はフランジ半幅 \( = B/2 \))
H 形鋼ウェブ\( (D - 2t_f)/t_w \)(内法せい)
角形鋼管(径厚比)\( B/t \)(全せい。内法ではない)
円形鋼管(径厚比)\( D/t \)(外径)

柱及びはりの種別

\( F \) は平成12年建設省告示第2464号第1に規定する基準強度 [N/mm²] です。

部材断面部位FAFBFCFD
柱H 形断面フランジ\( 9.5\sqrt{235/F} \)\( 12\sqrt{235/F} \)\( 15.5\sqrt{235/F} \)左記以外
柱H 形断面ウェブ\( 43\sqrt{235/F} \)\( 45\sqrt{235/F} \)\( 48\sqrt{235/F} \)左記以外
柱角形断面—\( 33\sqrt{235/F} \)\( 37\sqrt{235/F} \)\( 48\sqrt{235/F} \)左記以外
柱円形断面—\( 50(235/F) \)\( 70(235/F) \)\( 100(235/F) \)左記以外
はりH 形断面フランジ\( 9\sqrt{235/F} \)\( 11\sqrt{235/F} \)\( 15.5\sqrt{235/F} \)左記以外
はりH 形断面ウェブ\( 60\sqrt{235/F} \)\( 65\sqrt{235/F} \)\( 71\sqrt{235/F} \)左記以外

備考

  1. この表の規定は、基準強度が 205 N/mm² 以上で 375 N/mm² 以下である鋼材に限る。
  2. 基準強度が 235 N/mm² 及び 325 N/mm² 以外の炭素鋼にあっては、H 形断面及び角形断面では \( \sqrt{235/F} \) を、円形断面では \( 235/F \) を、400N 級鋼の幅厚比に乗じた値とする。

H 形断面はフランジ・ウェブの両方を判定し、不利な方(FD 寄り) を部材の種別として採用します。 角形鋼管・円形鋼管は同表に「はり」の行がないため、柱の行を準用します。

幅厚比表に行のない形状(溝形・T形・山形等)は、規範的根拠のない仮のしきい値で 自動判定することを避けるため自動判定の対象外とし、当該部材はランク未判定とします。層切断面の必須構成員のランクが未判定なら自動判定を停止し、手動ランクへ暗黙に切り替えません。利用者が手動判定を明示選択する必要があります。

角形鋼管の鋼種別限界値

冷間成形角形鋼管(BCR・BCP)及び一般構造用角形鋼管(STKR)は、鋼種ごとの限界値を用います。

鋼種FAFBFCFD
STKR400 / BCP235333748左記以外
STKR490 / BCP325273241左記以外
BCR295303443左記以外

筋かいの種別

筋かいの種別判定に用いるFも、通常鋼部材と同じ材種・実板厚の選択規則に従います。既知材種の表のFを保存された降伏応力で上書きせず、材料・必要厚・直接入力強度の不備を既定値で補いません。

有効細長比 \( \lambda \)筋かいの種別
(一)\( \lambda \le 495/\sqrt{F} \)BA
(二)\( 495/\sqrt{F} < \lambda \le 890/\sqrt{F} \) 又は \( 1980/\sqrt{F} \le \lambda \)BB
(三)\( 890/\sqrt{F} < \lambda < 1980/\sqrt{F} \)BC

実装参照:sepika_design_jp::secondary::width_thickness::s_member_rank_by_kihon(crates/sepika-design-jp/src/secondary/width_thickness/member_rank.rs)が幅厚比限界値による柱・はりの種別(角形鋼管の鋼種別限界値を含む)を判定し、筋かいは sepika_design_jp::secondary::ds_group::steel_brace_type が有効細長比から判定します。準備計算に表示する代表幅厚比は sepika_design_jp::secondary::width_thickness::max_width_thickness(crates/sepika-design-jp/src/secondary/width_thickness/ratio.rs)が形状寸法から簡易に算定し、角形鋼管は内法寸法、円形鋼管は対象外です。

SRC 部材の種別

SRC 柱の種別

鉄骨鉄筋コンクリート造の柱は、軸力比 \( N/N_0 \)・鉄骨曲げ耐力比 \( {}_sM_0/M_0 \) と破壊モードで種別を定めます(2025年版技術基準解説書、第2版第1刷、6.5.4(2) p.442、告示第1792号第5一)。

破壊モード\( N/N_0 \le 0.3 \) かつ \( {}_sM_0/M_0 \ge 0.4 \)\( N/N_0 \le 0.3 \) かつ \( {}_sM_0/M_0 < 0.4 \)\( 0.3 < N/N_0 \le 0.4 \) かつ \( {}_sM_0/M_0 \ge 0.4 \)\( 0.3 < N/N_0 \le 0.4 \) かつ \( {}_sM_0/M_0 < 0.4 \)\( N/N_0 > 0.4 \)
曲げ破壊FAFBFBFCFD
せん断破壊FBFCFCFDFD
  • \( N \): Ds 判定用に明示採用した確定 step に柱に生じる軸方向力(圧縮を正とし、引張の場合は 0 として扱う)
  • \( N_0 \): SRC 断面の圧縮耐力
  • \( {}_sM_0 \): 内蔵鉄骨の曲げ耐力
  • \( M_0 \): 軸力 0 とした SRC 断面の曲げ耐力
  • 破壊モード: 増分解析でせん断降伏イベントが記録された部材をせん断破壊、それ以外を曲げ破壊とする

評価点の指定だけでは崩壊機構の成立を保証しません。採用点における機構を確認します。耐力は累加による以下の略算で評価します。分類表との一致だけでは、略算の適用性や安全性は保証されません。

  • \( N_0 = {}_cA_c \cdot F_c + {}_sA \cdot {}_sF + a_r \cdot \sigma_y \)(コンクリートは鉄骨・主筋を控除した正味断面積 \( {}_cA_c \)、\( a_r \) は主筋全断面積)
  • \( {}_sM_0 = {}_sZ_p \cdot {}_sF \)(内蔵 H 形鋼の強軸全塑性断面係数 \( {}_sZ_p = B \cdot t_f (H - t_f) + t_w (H - 2t_f)^2 / 4 \))
  • \( M_0 = {}_sM_0 + {}_rM_0 \)(\( {}_rM_0 = 0.9 \, a_t \, \sigma_y \, d_e \)。\( a_t \) は引張側主筋量、\( d_e = D - d_t \) は有効せい)

引張縁から主筋群重心までの距離 \( d_t \) は、1 段配筋では \( \text{かぶり} + \text{せん断補強筋径} + \text{主筋径}/2 \) です。段数・段別本数で与える配筋の多段配筋(2 段以上)では、段間のあき(主筋径の 1.5 倍と 25 mm の大きい方)を考慮した多段重心位置とし、RC 断面検定の引張有効せいと同じ規則によります。断面中心対称な実配筋では引張側最外段の \( \text{かぶり} + \text{帯筋径} + \text{主筋径}/2 \) を \( d_t \) とし、\( a_t \) は同最外段の本数分の主筋量とします。

既定値:内蔵鉄骨の基準強度 \( {}_sF \) は断面の内蔵鉄骨材料の名称から板厚区分(フランジ厚)込みで解決し、解決できない場合は 235 N/mm²(400N 級鋼相当)とします。主筋の降伏強度 \( \sigma_y \) は断面の主筋材料の \( f_y \) から解決します。判定対象は SRC 矩形断面の柱で、SRC 梁は表に規定がないため自動ランク判定の対象外とします。層切断面の必須構成員が未判定なら自動判定を停止し、手動判定の指定ランクへ暗黙に切り替えません。SRC 矩形柱で Fc 未設定または 0 以下・増分解析応答なし・主筋降伏強度を解決できない・ランク判定比を算定できない場合はフォールバックせず部材 ID 付きエラーとします。

柱の分類表は、柱・はりの大部分がSRC造の階を対象とします。靭性を期待する柱の内蔵鉄骨は充腹形又はラチス形とし、格子形を用いません。非埋込み柱脚に曲げ降伏が生じる柱はRC柱としてDsを定める必要があります(同書6.5.4(2) p.444)。本プログラムはこれらの適用成立や柱脚条件によるRC扱いを自動確認しません。

SRC 耐震壁の種別

側柱(壁と両端の節点を共有する鉛直部材)に SRC 造の柱がある耐震壁は、\( \tau_u/F_c \) の表によらず破壊モードで種別を定めます。

破壊モード種別
せん断破壊WC
それ以外WA

破壊モードは、Ds 判定用に明示採用した確定 step に記録された壁専用応答の局所面内せん断力 \( Q_w \) と、その符号に対応する正負別終局せん断耐力 \( Q_u \) を用い、\( |Q_w| \ge 0.99 Q_u \) をせん断破壊と判定します。加力方向への射影値 \( Q_{dir} \) はこの局所判定に用いません。評価点の指定だけでは崩壊機構の成立を保証しません。採用点における機構を確認します。この0.99倍による同定だけでは、原典が求める崩壊形時の実際の破壊状況を確認したことにはなりません。閾値未到達だけで非せん断破壊と判断しないでください。壁専用応答・生成入力の識別が未記録または不正な場合や、対応する \( Q_u \) が未算定・非有限・0 以下の場合は、層の選択ランクへフォールバックせずエラーとします。

実装参照:sepika_design_jp::secondary::src_rank が SRC 柱の種別・判定比・SRC 耐震壁の種別を算定します。

部材群としての種別

層の Ds は個々の部材ではなく、部材群としての種別(A・B・C)で定めます。

部材の耐力の場合部材群としての種別
(一)\( \gamma_A \ge 0.5 \) かつ \( \gamma_C \le 0.2 \)A
(二)\( \gamma_C < 0.5 \)(部材群としての種別が A の場合を除く)B
(三)\( \gamma_C \ge 0.5 \)C
  • \( \gamma_A \): 筋かいの部材群の種別を定める場合は、種別 BA である筋かいの耐力の和をすべての筋かいの水平耐力の和で除した数値。柱及びはりの部材群の種別を定める場合は、種別 FA である柱の耐力の和を種別 FD である柱を除くすべての柱の水平耐力の和で除した数値。
  • \( \gamma_C \): 同様に、種別 BC である筋かい/種別 FC である柱について求めた数値。

実装参照:sepika_design_jp::secondary::ds_group::member_group が耐力比 \( \gamma_A, \gamma_C \) から判定します。

各階の構造特性係数 Ds(RC 造)

\( \beta_u \) は耐力壁の水平耐力の和を保有水平耐力の数値で除した数値です。

耐力壁の部材群としての種別条件柱及びはりの部材群としての種別 ABCD
A\( 0 < \beta_u \le 0.3 \)0.30.350.40.45
A\( 0.3 < \beta_u \le 0.7 \)0.350.40.450.5
A\( \beta_u > 0.7 \)0.40.450.450.55
B\( 0 < \beta_u \le 0.3 \)0.350.350.40.45
B\( 0.3 < \beta_u \le 0.7 \)0.40.40.450.5
B\( \beta_u > 0.7 \)0.450.450.50.55
C\( 0 < \beta_u \le 0.3 \)0.350.350.40.45
C\( 0.3 < \beta_u \le 0.7 \)0.40.450.450.5
C\( \beta_u > 0.7 \)0.50.50.50.55
D\( 0 < \beta_u \le 0.3 \)0.40.40.450.45
D\( 0.3 < \beta_u \le 0.7 \)0.450.50.50.5
D\( \beta_u > 0.7 \)0.550.550.550.55

耐力壁がない(\( \beta_u = 0 \))純ラーメンの場合は 0.3 / 0.35 / 0.4 / 0.45 とします。

実装参照:sepika_design_jp::secondary::ds_group::ds_rc が告示の Ds 表を引きます。

各階の構造特性係数 Ds(S 造)

\( \beta_u \) は筋かい(耐力壁を含む)の水平耐力の和を保有水平耐力で除した数値です。

筋かいの部材群としての種別条件柱及びはりの部材群としての種別 ABCD
A 又は \( \beta_u = 0 \)—0.250.30.350.4
B\( 0 < \beta_u \le 0.3 \)0.250.30.350.4
B\( 0.3 < \beta_u \le 0.7 \)0.30.30.350.45
B\( \beta_u > 0.7 \)0.350.350.40.5
C\( 0 < \beta_u \le 0.3 \)0.30.30.350.4
C\( 0.3 < \beta_u \le 0.5 \)0.350.350.40.45
C\( \beta_u > 0.5 \)0.40.40.450.5

実装参照:sepika_design_jp::secondary::ds_group::ds_steel(crates/sepika-design-jp/src/secondary/ds_group.rs)が告示の Ds 表を引きます。

本プログラムでの部材群種別・βu の算定

βu は 保有水平耐力の判定に示す、Ds 判定用確定点の符号付き負担力比を使います。部材群の種別を決める耐力重みは、同時点の実負担力とは別の量です。自動ランクを使用する場合は設計タブで各部材の正の耐力重み [N] を明示入力してください。壁系の側柱は壁系へ一度分類し、柱梁系へ再計上しません。

耐力重み・ランク・確定応力が欠ける場合は自動判定を停止します。壁・筋かい群が存在しない純ラーメンではその群を仮にランク A とせず、βu=0 の純ラーメンの表を用います。柱梁群を持たない構造の自動 Ds 判定は未対応として明示し、手動設計入力を求めます。実負担力を耐力と読み替えることや、欠損をランク A・選択ランクで埋めることはありません。自動判定を使用しない場合の手動ランクは設計者の明示入力です。

目的別集計の釣合い確認は、群種別のD部材取扱い・柱梁群の範囲やDs適用条件の成立を保証しません。破壊形式・非ヒンジ柱・接合部・柱脚の確認不足は、構造特性係数Dsの制限に従い自動・手動とも理由付きで保留します。

実装参照:sepika_app::app::App::compute_holding_capacity(crates/sepika-app/src/app/actions/design/holding.rs)。

群の耐力比の背景資料は、国土交通省公開の住指発第96号(昭和56年5月1日)別記3付則(2)2)v)表3-5です(HTML、頁なし)。原文。歴史的通知として参照し、現行法の全要件の代替には用いません。