RC 断面検定
梁(RC規準13条)
RC 梁の曲げ・せん断・付着を、日本建築学会 RC規準 13条(2010年版)に基づいて検定します。
材料の短期倍率・軽量コンクリートの適用条件には材料の許容応力度に示す未確認範囲があります。本ページの部材式と材料値の組合せだけで、規準の全適用条件を満たすと判断しないでください。付着の方式・版は付着・定着で区別します。
算定式
許容曲げ(中立軸 xn を弾性・ヤング係数比 n で算定):
\[ M_A = \min(M_{At}, M_{Ac}) \]
\[ M_{At} = a_t \cdot f_t \cdot j \]
\[ M_{Ac} = f_c \cdot I_{cr}/x_n \]
部材中央(正規化位置 0.5)かつ梁にスラブが取り付く場合では、正曲げの許容を次のように扱います。 「スラブが取り付く」は版がある床板(Slab)に対して判定します(版 = 断面が割り当たり板厚が正)。 囲まれた床板は、その床板が属する床領域の外周(大梁の区画。小梁による細分によらず常に区画 全体を表す。床領域内のどれか 1 枚でも版があればよい)に両端節点が含まれること、どの床領域にも 属さない床板は自身の境界節点に両端が含まれることです。取り付く床板は取付き線の両端が梁の 両端と一致すること(順不同)です。点取り付きと版なしは対象外です。 正曲げは部材座標系の \( m_z > 0 \) とし、床スラブ側が圧縮となる向きです。 このときは T 形断面の引張支配略算として \( M_A = M_{At} = a_t \cdot f_t \cdot j \) のみを用います。 負曲げではスラブが引張側になるため、長方形複筋の \( \min(M_{At}, M_{Ac}) \) を用います。
床スラブ自体の一方向検定(版のある床板の \( M \)・許容値)は、この梁の T 形断面略算とは 別の検定です。床(スラブ)の一方向検定を参照してください。
せん断(1.0〜2.0):
\[ \alpha = 4/(M/(Q \cdot d)+1) \]
退化時の規約: \( Q \approx 0 \) かつ \( M > 0 \) は \( M/(Q \cdot d) \to \infty \) すなわち下限 \( \alpha = 1.0 \)(割増なし)を採用します。M も Q も 0(無応力)または \( d \le 0 \) の場合も中立な \( \alpha = 1.0 \) とします。この規約は RC・SRC のせん断検定で共通です。
\[ Q_{AL} = b \cdot j \cdot (\alpha \cdot f_s + 0.5 \cdot {}_w f_t \cdot (p_w - 0.002)) \]
短期の損傷制御の検討では、普通強度せん断補強筋を用いる場合に限り \( {}_w f_t \) を 390 N/mm² 以下に制限します(RC規準)。
地震時設計用せん断:
\[ Q_D = \min(Q_{D1}, Q_{D2}) \]
\[ Q_{D1} = Q_0 + n_{\mathrm{mech}} \cdot \sum {}_B M_y/l' \]
\[ Q_{D2} = Q_L + n \cdot Q_E \]
ここで記号の意味を分けます。
- \( Q_L \):選択組合せのG/P/S係数を保持したFEM重力せん断力(Pは架構用)
- \( Q_E \):選択地震termsの寄与(組合せ内力から上記重力参照を差し引いた成分。0.35Sを含めない)
- \( Q_0 \):両端支持とした単純梁の長期せん断力(部材荷重から算定。重力ケース集合は \( Q_L \) と同じ)
\( Q_0 \) は選択G/P/S termsの部材荷重から、次節の方法で算定します。地震重量用積載は流用しません。 RC梁でQD1を含む方式を選びQ0が不足する場合は理由付き未検定とし、FEMのQLでは代替しません。SRC梁はSRC梁の地震時設計用せん断と重力参照に従います。 \( n_{\mathrm{mech}} \) はメカニズム側の割増で、既定は 1.0 です。 本ソフトでは QD1 をメカニズム側、QD2 を割増 QE 側と呼びます。
記号・単位
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| \( M_{At} \) | 引張鉄筋の引張力で決まる許容曲げモーメント | N·mm |
| \( M_{Ac} \) | コンクリートの圧縮応力度で決まる許容曲げモーメント | N·mm |
| \( a_t \) | 引張鉄筋断面積 | mm² |
| \( f_t \) | 鉄筋の許容引張応力度 | N/mm² |
| \( j \) | 応力中心距離 | mm |
| \( I_{cr} \) | ひび割れ断面二次モーメント | mm⁴ |
| \( x_n \) | 圧縮縁から中立軸までの距離 | mm |
| \( \alpha \) | せん断スパン比 \( M/(Q \cdot d) \) による割増係数 | - |
| \( Q_{AL} \) | 長期許容せん断力 | N |
| \( {}_w f_t \) | せん断補強筋の許容引張応力度 | N/mm² |
| \( p_w \) | せん断補強筋比 | - |
| \( Q_D \) | 地震時の設計用せん断力 | N |
実装参照:sepika_design_jp::rc::beam(crates/sepika-design-jp/src/rc/beam.rs)が検定し、許容せん断と地震時 QD の共通処理を sepika_design_jp::rc が担います。
RC梁の単純梁せん断Q0
Q0は梁のlocal Qy方向(Mzに対応)の両端支持反力から求めます。荷重方向は全体座標で正規化し、部材の局所y軸への内積を、符号付きの集中荷重・分布強度に乗じます。局所y軸に直交する有限な定義済み方向の寄与は0です。方向と強度をともに反転した荷重は同じ作用になります。鉛直部材・斜材を一律に除外する方向制限は設けません。
材長を \( L \) [mm]、i端からの距離を \( x \) [mm] とし、同じlocal y方向の合力を \( W \) [N]、i端まわりの一次モーメントを \( S \) [N·mm] とします。
\[ R_j = S/L,\qquad R_i = W-R_j \]
選択termsの係数 \( c_k \) を端別に合成し、最後に最大絶対値を採ります。
\[ Q_0 = \max\left(\left|\sum_k c_k R_{i,k}\right|,\left|\sum_k c_k R_{j,k}\right|\right) \]
荷重の絶対値やケース別の最大端反力を先に加算しません。合力が0でも一次モーメントを保持するため、正負の分布による反力対を失いません。同じ選択荷重なら、ケースの分割・統合や名称変更でQ0は変わりません。
例えばL=6000 mm、i端から1500/4500 mmに同方向の1000 Nを1個ずつ載せた場合、合成端反力は1000/1000 N、Q0は1000 Nです。後者の係数を0.5とすると数学上の合成端反力は875/625 N、Q0は875 Nです。この異係数例はQ0算定の独立例であり、GUI/MCPの検定で非標準の固定荷重・架構用積載係数を受理することを意味しません。検定可能な係数・荷重状態は荷重組合せに従います。
これは両端支持時の端せん断から部材代表値を採る略算です。符号反転分布を含む全断面のせん断極値、local Qzとの合成せん断、別組合せ間の包絡を求めるものではありません。全断面最大に対する安全側は保証しません。
有効な無荷重・荷重相殺・局所y軸への直交によるQ0=0と、入力不足を区別します。参照できない荷重ケース・部材・節点、非有限の強度・位置・係数、未定義の方向、有限な結果を得られない計算は不足とし、部分値・QL・過去のQ0で補完しません。QD1を含む検定とその詳細表示は、必要なQ0や重力内力が不足すれば理由付き未検定とします。QD2のみの方式や通常の長期検定にQ0必須条件を加えません。
入力は有限な材長L>1e−9 mm、点位置0≤a≤L、分布区間0≤a<b≤Lです。符号付き強度・0強度と短い正区間も扱います。
この符号付きQy・端別合成はRC梁に適用します。SRC等のQ0算定や地震用重量の荷重採否、終局検定の需要算定へ一般化しません。非RCの算定は荷重の絶対値と材軸直交成分の大きさを用い、複数ケースではケース別Q0を係数付きで加算します。SRC梁の地震時設計用せん断は上記リンク先のQL参照条件を用い、Q0を必須にしません。
保存組合せの検定では選択した重力荷重の係数を用います。詳細表示などで検定用重力ケースを自動選択する場合は、固定荷重と架構用積載の全ケースを係数1で用います。対象重力ケースがない場合や参照できない場合は入力不足です。Q0の単位はNです。
Q0は両端支持時のせん断力として扱います。local Qyと荷重ケースの合成後包絡は、RC梁の検定方向との整合に基づくSEPIKAの採用方法です。学会規準原本への適合は未確認です。
実装参照:sepika_job::design_q0::{simple_beam_q0_by_elem, simple_beam_q0_by_terms, simple_beam_q0_by_gravity_cases}(crates/sepika-job/src/design_q0.rs)が算定します。
柱(RC規準14条)
RC 柱の軸力+二軸曲げ+せん断を、RC規準 14条に基づいて検定します。
算定式
許容軸力:
\[ N_A = \min(f_c \cdot A_e, f_t \cdot A_e/n) \]
\[ A_e = A + (n-1) \cdot A_s \]
- N-M 相関曲線を弾性・線形ひずみ仮定で構築する(圧縮縁・圧縮鉄筋・引張鉄筋の 3 条件の最小)
- 二軸曲げは、矩形が \( \text{ratio} = \text{ratio}_z + \text{ratio}_y \)(線形和)、円形が \( (m_z/m_a)^2 + (m_y/m_a)^2 \)
- せん断 \( \alpha = 4/(M/(Q \cdot d)+1) \)(1.0〜1.5)。α のせん断スパン比は加力方向ごとに 「モーメントが最大となる検定位置」の (|M|, |Q|) を採用します(強軸: |Mz|max と 対応 |Qy|、弱軸: |My|max と対応 |Qz|)。地震時設計用せん断は \( Q_{D1} = n_{\mathrm{mech}} \cdot \sum M_y / h' \)、 \( Q_{D2} = Q_L + n \cdot Q_E \) とします。
- 短期の損傷制御の検討では、普通強度せん断補強筋を用いる場合に限り \( {}_w f_t \) を 390 N/mm² 以下に制限します(RC規準)
円形柱のせん断補強筋比 \( p_w \) は、帯筋を 1 組 2 本(閉鎖フープ、検討方向あたり 2 本)とみなし、\( A_w = 2 \cdot a_{w1} \)、\( p_w = A_w/(b_e \cdot s) \) で算定します(\( a_{w1} \) は帯筋 1 本の断面積、\( b_e = \sqrt{\pi D^2/4} \) は等価正方形断面の辺長、\( s \) は帯筋間隔)。円形柱の入力は帯筋径・間隔のみを取り、円形柱の帯筋脚数(HOOP 本数)を個別入力する方式には未対応です。
\( \sum M_y \) は柱頭・柱脚の崩壊メカニズムから定めます。
- 各端で、加力方向に取り付く梁の降伏モーメント和と柱の降伏モーメントを比較する
- 梁が弱い側を梁ヒンジ(寄与 \( \sum {}_B M_y/2 \))、柱が弱い側・梁無し・同値を柱ヒンジ(寄与 \( {}_c M_y \))とする
- 上下端とも梁ヒンジになる場合は下端を柱ヒンジへ落とす(両端梁降伏は考えない)
- 柱 My の軸力は \( N = N_L + n \cdot |N_E| \) とする(\( n \) の既定は 1.0。計算ルート連動は未実装)
- 部分スリット壁による強制柱ヒンジは、モデル属性が無いため対象外とする
- メカニズムが未算定のとき、または柱 My が取れない方向は、検定位置軸力の \( \sum M_y = 2 \cdot M_u \) で代替する
- 梁 My は RC 矩形梁の略算降伏モーメントのみ算定する。SRC・円形など My が取れない梁が加力方向にあれば、その方向は端の設計軸力による \( M_{u,i}+M_{u,j} \) とする
- 実配筋梁(上下非対称配筋)の梁 My は、上端引張・下端引張で算定した値の大きい方(安全側。柱 QD1 の過小を避ける)を採用する
- 梁の加力方向割当は強軸・弱軸で排他する(45° 付近の二重算入を避ける。同点は強軸側)
記号・単位
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| \( N_A \) | 許容軸力 | N |
| \( A_e \) | ヤング係数比を考慮した等価断面積 | mm² |
| \( A_s \) | 鉄筋断面積 | mm² |
| \( m_a \) | 許容曲げモーメント | N·mm |
| \( \sum M_y \) | 柱頭・柱脚の降伏モーメントの和 | N·mm |
| \( h' \) | 柱の内法高さ | mm |
| \( M_u \) | 柱の終局曲げモーメント | N·mm |
| \( N_L \) | 長期軸力 | N |
| \( N_E \) | 地震時軸力 | N |
| \( N \) | 軸力(圧縮を正) | N |
実装参照:sepika_design_jp::rc::column(crates/sepika-design-jp/src/rc/column/mod.rs)が検定し、地震時 QD は軸力を考慮する sepika_core::rc_capacity::rc_column_mu_simple(crates/sepika-core/src/rc_capacity.rs)が担います。メカニズムは sepika_design_jp::rc::column_mechanism が算定します。
柱梁接合部(RC規準15条)
柱梁接合部のせん断を、RC規準 15条に基づいて検定します。
算定式
許容せん断(形状係数 \( \kappa_A \) = 十字10/T字7/ト字5/L字3):
\[ Q_{Aj} = \kappa_A \cdot (f_s - 0.5) \cdot b_j \cdot D \]
有効幅:
\[ b_j = b_b + 2 \cdot b_{ai} \]
\[ b_{ai} = \min(b_i/2, D/4) \]
設計用:
\[ Q_{dj} = \min(Q_{dj1}, Q_{dj2}) \]
\[ \xi = j/({}_c H(1 - D/L_b)) \]
\[ Q_{dj1} = \sum M_y/j \cdot (1-\xi) \]
ここで ΣMy は大梁の降伏モーメントの和(略算降伏モーメント \( 0.9 \cdot a_t \cdot \sigma_y \cdot d \)。弾性解析の梁端モーメントではない)です。
記号・単位
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| \( Q_{Aj} \) | 接合部の許容せん断力 | N |
| \( \kappa_A \) | 接合部の形状係数(十字10/T字7/ト字5/L字3) | - |
| \( f_s \) | コンクリートの許容せん断応力度 | N/mm² |
| \( b_j \) | 接合部の有効幅 | mm |
| \( D \) | 柱の断面せい | mm |
| \( b_{ai} \) | 梁の有効幅の片側分 | mm |
| \( Q_{dj} \) | 接合部の設計用せん断力 | N |
| \( \xi \) | 接合部せん断力の分配係数 | - |
| \( {}_c H \) | 柱の内法高さ | mm |
| \( L_b \) | 梁の内法長さ | mm |
| \( j \) | 梁の応力中心距離 | mm |
実装参照:sepika_design_jp::rc::joint(crates/sepika-design-jp/src/rc/joint.rs)が検定します。
付着・定着(RC規準1999/1991)
RC 梁の付着・定着を、RC規準1999(既定)/1991 に基づいて検定します。設計タブで方式を切り替えられます(既定は 1999)。
算定式(1991方式)
設計用付着応力度は \( \tau_a = |Q|/(\sum\varphi \cdot j) \)、検定比は \( \tau_a/f_a \) です。許容値 \( f_a \) は材料の許容応力度を用います。引張側の上端筋・下端筋、異形鉄筋・丸鋼、長期・短期を区別します。
算定式(1999方式)
必要定着長:
\[ l_{db} = \sigma_t \cdot a_s/(K \cdot f_b \cdot \varphi) \]
\[ K = 0.3 \cdot C/d_b + 0.4 \quad (\text{長期}) \] \[ K = 0.3 \cdot (C+W)/d_b + 0.4 \quad (\text{短期}) \]
(上限 2.5、\( C = \min(\text{あき}, 3\text{cover}, 5d_b) \))
\[ f_b = F_c/60 + 0.6 \]
(上端筋 0.8 倍、短期×1.5)。 1999方式の \( f_b \) は付着割裂を検討する別式の係数であり、1991方式の告示表に基づく \( f_a \) とは異なります。両者を同じ許容値として置き換えず、それぞれの検定式と組み合わせます。 丸鋼では \( f_b = F_c/30 + 0.4 \) とし、上端筋 0.8 倍、短期×1.5 とします。 多段配筋(2 段以上)の場合は fb に 0.6 を乗じ(RC規準1999「1段筋以外は 0.6 を乗じる」)、必要付着長さが最大となる 2 段目以降の鉄筋列で代表して検定します。
記号・単位
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| \( l_{db} \) | 必要定着長さ | mm |
| \( \sigma_t \) | 検定断面の鉄筋引張応力度 | N/mm² |
| \( a_s \) | 主筋 1 本の断面積 | mm² |
| \( K \) | 付着割裂の検討用係数 | - |
| \( f_b \) | 付着の許容応力度 | N/mm² |
| \( \varphi \) | 主筋 1 本の周長 | mm |
| \( C \) | あき・かぶり・鉄筋径から定まる付着の有効長さ | mm |
| \( W \) | 横補強筋効果を表す換算長さ | mm |
| \( d_b \) | 主筋の呼び径 | mm |
| \( F_c \) | コンクリートの設計基準強度 | N/mm² |
実装参照:sepika_design_jp::rc::{rc_beam_bond_check_with_rebar, rc_beam_bond_check_1991}(crates/sepika-design-jp/src/rc/bond.rs)が検定します。
構造規定・長期たわみ
RC 梁・柱の構造規定と梁の長期たわみを、平12 告示第1459号および慣行の入力チェックに基づいて扱います。
部材全体に共通する項目(構造規定・たわみ)は、危険断面のうち部材中央(正規化位置 0.5)の検定結果に一度だけ付記します。 中央は剛域の有無にかかわらず危険断面に含まれるため、フェイス位置のみを検定する架構でも見落とせません。
梁の構造規定
入力エラー(検定種別「構造規定」、検定比 > 1 で NG):
- かぶり厚さは 30 mm 以上とする
- あばら筋間隔は \( \min(3D/4,\,300\,\mathrm{mm}) \) 以下とする
警告(共通 detail に付記。検定比には載せない):
- 主筋径は D13 以上とする
- あばら筋間隔は \( \min(D/2,\,250\,\mathrm{mm}) \) 以下とする
- せん断補強筋比は \( p_w \ge 0.2\% \) とする
- 長期の引張鉄筋断面積は \( a_t \ge \min(0.004bd,\,4/3\cdot\text{必要量}) \) とする
実装参照:sepika_design_jp::rc::provisions::beam_provisions(crates/sepika-design-jp/src/rc/provisions.rs)が判定します。
柱の構造規定
入力エラー:
- かぶり厚さは 30 mm 以上とする
- 主筋全本数は長方形で 4 本以上、円形で 8 本以上とする
- 帯筋間隔は 100 mm 以下とする
警告:
- 最小径 / 支点間距離は、普通コンクリートで 1/15 以上、軽量で 1/10 以上とする。支点間距離は内法長さ(
DesignCtx.clear_length)を優先し、無ければ節点間長さとする - 主筋比は \( p_g \ge 0.8\% \) とする
- せん断補強筋比は \( p_w \ge 0.2\% \) とする(計算ルート未連動のためルート1/3 相当の下限のみ)。長方形柱は両方向の幅で \( p_w \) を算定し、小さい方で下限を見る
- 短期軸応力度は \( N/A_g \ge F_c/3 \) とする。規定を満たさないとき(\( \sigma < F_c/3 \))に警告する
実装参照:sepika_design_jp::rc::provisions::column_provisions(crates/sepika-design-jp/src/rc/provisions.rs)が判定します。
梁の長期たわみ
建設省告示「平12 第1459号」:
\[ \alpha \cdot \delta / L \le 1/250 \]
ここでスパン \( L \) は内法長さ(フェイス間。剛域控除後)を用います。 内法が取れないときは節点間長さで代替します。
変形増大係数 \( \alpha \) の既定は 8 です。 略算たわみは鋼梁と同じモーメント復元形で、
\[ M_0 = |M_c| + (|M_i|+|M_j|)/2 \]
\[ \delta = 5 M_0 L^2/(48 E I) - (|M_i|+|M_j|) L^2/(16 E I) \]
\( I = b D^3/12 \)(長方形断面)とします。 端部・中央の長期モーメントが揃うときのみ検定し、結果は検定種別「たわみ」に載せます。 片持ち梁の先端集中換算は対象外です。
実装参照:sepika_design_jp::rc::provisions(rc/provisions.rs)。
耐震壁(RC規準18条)
耐震壁のせん断を、RC規準 18条に基づいて検定します。
検定の対象は耐震壁として成立する壁だけです。上下辺が大梁で囲まれていない壁と、耐震スリットがある壁と、RC 壁のうち壁厚が 120 mm 未満・開口周比 \( r_0 > 0.4 \) のいずれかに該当する壁は、耐震壁ではないため本検定の対象外とします。成立判定は解析側と同じ関数(sepika_element::wall::misc_wall::wall_is_seismic。壁エレメントモデル)を用いるため、解析で壁エレメントとして扱われる壁と検定の対象は必ず一致します。
算定式
コンクリート負担:
\[ Q_1 = r \cdot t \cdot l \cdot f_s \]
壁筋負担:
\[ Q_w = p_s \cdot t \cdot l_e \cdot {}_w f_t \]
側柱負担 Qc を加えた
\[ Q_2 = r \cdot (Q_w + \sum Q_c) \]
側柱 1 本あたり \( Q_c = b \cdot j \cdot (1.5 \cdot f_s + 0.5 \cdot {}_w f_t \cdot (p_w - 0.002)) \)(\( j = 7/8 \cdot d \)、\( (p_w - 0.002) < 0 \) は 0 とする。SRC 側柱は鉄骨のせん断負担 \( s_{fs} \cdot A_s \) を加算する。\( (p_w - 0.002) \) のオフセットは SRC 造耐震壁にも同じ式を用いる)。
短期許容:
\[ Q_a = \max(Q_1, Q_2) \]
開口低減:
\[ r = \min(\gamma_1, \gamma_2, \gamma_3) = 1 - \max\left(\frac{l_0}{l},\ r_0,\ \frac{h_0}{h}\right),\quad r_0 = \sqrt{\frac{h_0 \cdot l_0}{h \cdot l}} \]
\( \gamma_1 = 1 - l_0/l \)、\( \gamma_2 = 1 - r_0 \)、\( \gamma_3 = 1 - h_0/h \)。終局せん断(耐震壁(せん断非線形トリリニア))の開口低減と同一の式ですが、剛性計算用の \( r_1 = 1 - 1.25 r_0 \)(壁エレメントモデル)とは別の式です。
記号・単位
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| \( Q_1 \) | コンクリートが負担する許容せん断力 | N |
| \( Q_w \) | 壁筋が負担する許容せん断力 | N |
| \( Q_2 \) | 側柱を含む許容せん断力 | N |
| \( Q_a \) | 耐震壁の短期許容せん断力 | N |
| \( Q_c \) | 側柱 1 本が負担する許容せん断力 | N |
| \( r \) | 開口による低減率 | - |
| \( t \) | 壁厚 | mm |
| \( l \) | 壁の長さ | mm |
| \( l_e \) | 壁筋が有効な壁の長さ | mm |
| \( p_s \) | 壁筋比 | - |
| \( {}_w f_t \) | 壁筋の許容引張応力度 | N/mm² |
| \( r_0 \) | 開口周比 | - |
実装参照:sepika_design_jp::rc::wall(crates/sepika-design-jp/src/rc/wall.rs)が検定します。