荷重組合せ
荷重によって生ずる部材内力と継続時間
令第82条第2号の係数表は、荷重・外力によって各部分に生ずる力を組み合わせます。 面荷重強度や建物総重量を、そのまま断面力へ足す表ではありません。 同じ部材・評価位置・内力成分について、固定荷重G、架構用積載P、積雪S、風W、地震Kの寄与を組み合わせます。
| 状態 | 一般地域 | 多雪区域 | 許容応力度 |
|---|---|---|---|
| 常時 | G+P | G+P | 長期 |
| 長期積雪 | — | G+P+0.7S | 長期 |
| 積雪時 | G+P+S | G+P+S | 短期 |
| 暴風時 | G+P+W | G+P+W、およびG+P+0.35S+W | 短期 |
| 地震時 | G+P+K | G+P+0.35S+K | 短期 |
荷重の条項はGが第84条、Pが第85条、Sが第86条、Wが第87条、Kが第88条です。 第82条第3号は構造耐力上主要な部分の断面と長期・短期の許容応力度を対応させます。 許容応力度等計算の第82条の6第1号は第82条各号・第82条の2・第82条の4を参照します。 第82条の3の保有水平耐力計算とは計算種別を区別してください。
内部の軸力N・せん断力QはN、曲げモーメントMはN·mmです。表示時はN/Qを1000で除してkN、Mを1,000,000で除してkN·mに換算します。 線形重ね合わせが成り立つ同じ内力成分でG=100、P=20、S=40、K=±30なら、常時120、多雪長期148、短期積雪160、多雪地震164/104です。 別ケースの非線形応答を足しても、合成荷重を載せた同一の非線形解にはなりません。 引張専用ブレースの反復解析を含む組合せは、現在の断面検定では理由付き未検定にします。
入力と自動生成
標準表示はG→DL、P→LL(架構用)、S→SL、K→EX/EYです。名称は表示用です。 継続時間は保存された組合せ係数と荷重ケースの種別から判定し、名称を変えても許容値を変えません。 G/Pは係数1、積雪だけの場合は0.7Sを長期、1.0Sを短期、風・地震と併用する積雪は0.35Sを短期として扱います。 正負の風・地震は係数±1で指定します。複数の水平作用、Other、地震重量用積載、参照欠落、標準外の係数などは一意に判定できず、理由付き未検定となります。 Pがゼロの場合も、種別を架構用積載とした空ケースを明示してください。
標準生成はG+P、多雪長期0.7S、短期S、X±/Y±の地震、多雪0.35S付き地震を用意します。 新規モデルは積雪なし・一般地域のG+PとX±/Y±から始めます。 固定・架構用積載・積雪は種別から先頭のケースを選び、標準地震の方向はEX/EYへ対応付けます。 任意の地震・風ケースと複数の重力ケースは、必要なtermsを手動で設定してください。
雪係数は直接入力でき、入力した係数とtermsを保存します。ただし0.7/0.35からの変更は、標準の継続時間・適用根拠を自動確認するものではなく未判定になります。 多雪区域は特定行政庁の指定(第86条第2項ただし書)を設計者が確認する必要があります。 風圧力と暴風組合せは自動生成しません。多雪暴風は積雪なし・0.35S付きの両状態を手動設定してください。 風時の実況に応じたPの低減、転倒・柱引抜き等の注意条件も自動確認しません。 荷重状態の判定と必要ケースの存在だけで、建物の法的全条件への適合を表示することはありません。
積載荷重の用途と検定対象
積載は原則として実状によります。表値を採る場合も床・小梁・架構・地震重量の用途を保持します。 事務室の表値は床/小梁2900、架構1800、地震重量800 N/m²です。10m²なら29/18/8kNです。 任意入力は用途ごとに実状強度を直接保存します(内部N/mm²)。地震重量用8kNを検定重力Pの18kNへ流用しません。 第85条第2項の低減率算定は用意していますが、柱又は基礎の圧縮力への適用は未対応です。床・梁荷重や水平質量へ一律適用しません。
| 検定対象 | 荷重・内力 | 継続時間と結果範囲 |
|---|---|---|
| 主架構の保存組合せ | 選択termsのFEM内力 | 判定できる長期/短期。入力・応力不足は未検定 |
| 主架構の単独G/P | そのケース単体のFEM内力 | 長期の単体応力評価。法令組合せ完了を意味しない |
| 単独雪・風・地震のGUI表示 | そのケース単体のFEM内力 | 短期の作用表示。G+Pを含む組合せの検定は未実施 |
| 小梁 | 固定+小梁用積載を分配した梁略算 | 長期略算のみ。選択雪/風/地震/任意組合せは未検定 |
| 床 | 固定+床用積載の一方向版略算 | 長期略算のみ。選択雪/風/地震/任意組合せは未検定 |
GUIでは対象結果の切替時にも保存条件を再判定します。
MCPは保存組合せを指定すれば同じterms・継続時間・線形内力を用います。
MCPの地震ケース単体指定にはG+Pを自動合成しますが、地震重量用積載は含めません。
積雪ケースがあるときは地域条件に応じた保存組合せを明示する必要があります。
重力ケースの一部または全部の解析失敗は、不足応力の検定を拒否します。
地震時の設計せん断用参照は、選択termsのG/P/S係数を保持したFEM重力応力と、部材荷重からの単純梁Q0を区別します。RC梁のQ0は符号付きlocal Qy端反力を選択係数で端別に合成した後、最大絶対値を採ります。方向・不足・算定範囲はRC梁の単純梁せん断Q0を参照してください。
レポートCSVに選択対象・terms/kind・継続時間・小梁床の長期略算/選択短期未検定範囲を残します。
MCPの保存組合せと自動G+P+Kは単独ケースの保存結果と区別し、case: null・store.persisted: falseで返します。組合せ内力はサーバープロセス中のサマリのみです。取得形式・行数制限は解析ジョブのツール仕様で確認してください。
小梁・床は全体FEMの外で略算していても、構造安全の法的対象から一律除外されません。
終局検定と増分初期重力への接続
終局検定と増分初期重力に用いる架構用長期組合せは、保存組合せ一覧から明示的に選択します。名称・先頭順・地震重量の集合から選びません。同じ terms と係数を静的の重力需要と増分初期載荷で共有し、未指定・不完全を成功へ変換しません。採用できる状態、符号付き合成、モード別の QL と倍率、未検定の条件は終局検定の統括を参照してください。上記の許容応力度用係数表を全終局荷重組合せの規準と読み替えるものではありません。
出典と確認範囲
- デジタル庁・e-Gov 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号):第1条第3号、第82条、第82条の6、第84~88条。上表は採用する基本組合せです。2026-10-10時点の公開現在版条項の直接照合は未確認です。建物の適用日版と条項の原文確認が必要です。
- 厚生労働省 第2講座 石綿含有建材の建築図面調査:本文p.2-66、PDF66頁の参考欄。防火上の主要構造部と力学的な構造耐力上主要な部分を区別し、後者に床版・横架材を含める用語補助資料です。資料の版・発行日は未確認で、現行施行令原本の代用にはしません。
- 『建築物の構造関係技術基準解説書』2015/2020/2025版の該当頁、学会規準の今回未閲覧箇所は未確認です。未確認事項を原典照合済みとして扱いません。
実装参照:sepika_core::load_combo::{standard_combinations, combination_design_state, case_design_state}(crates/sepika-core/src/load_combo.rs)、検定用重力参照はsepika_job::design_q0(crates/sepika-job/src/design_q0.rs)が扱います。