材料強度(F値・許容応力度の基礎)
材料強度定数は、建築基準法施行令 89〜91 条・96 条・98 条、および告示(鋼材の F 値等)に基づきます。 詳細な埋込値と条番号の対応は原典照合リスト 優先度2を参照します。
算定式(主要な材料強度):
- 鋼材 F 値(令 98 条/告示): SN400/SS400 = 235(\( t \le 40 \))、SN490/SM490 = 325 ほか
- 鉄筋降伏強度(令 90 条・JIS G3112): SD295 = 295、SD345 = 345、USD685 = 685 ほか
- コンクリート設計基準強度 Fc(令 91 条): 許容応力度は長期 \( F_c/3 \)、短期 \( 2F_c/3 \)
- ヤング係数比 n(Fc 区分): \( F_c \le 27 \to 15 \) / \( \le 36 \to 13 \) / \( \le 48 \to 11 \) / \( \le 60 \to 9 \) / \( \text{それ超} \to 7 \)
グレード名(SS400・SD345・Fc21 等)と基準強度・材料定数の対応、および
プリセット材料の登録値の一覧は 標準材料(プリセット)一覧 を参照します。
断面設計用ヤング係数比の確認範囲
上記のnはRC断面の許容曲げ・軸力計算に用いる設計用の換算比です。Fcの単位はN/mm²で、各境界の等号は小さい強度側の区分に含めます。コンクリート種類・荷重の長期/短期による切替えはありません。初期弾性解析の材料定数Es/Ecとは区別します。
Fc≤60の15/13/11/9と境界は、日本建築学会の2008年RC規準12条公開改定案・表12.1に記載があります。同条はコンクリートの種類・荷重の長短によらず共通としますが、刊行規準の総則・材料条項を含めた適用資格は未確認です。表の下端がFc≤27であることは、非正のFcや任意材料を設計対象として認める根拠にはなりません。
Fc>60でも現行計算はn=7を返しますが、この値の採用原典と強度上限は未確認です。軽量コンクリートの各種別・強度範囲、任意材料を含めた全入力への規準適合も確認できていません。数値が算定されることを、その条件での設計適用や安全側の保証として扱わないでください。SRCの設計換算は許容曲げ計算のnと適用限界も参照してください。
実装参照:グレード名 → 基準強度の対応表は sepika_core::material_grade(material_grade.rs)に一本化します。
許容応力度は sepika_design_jp::material_strength(crates/sepika-design-jp/src/material_strength/)が算定し、ヤング係数比 n は同モジュールの young_ratio_n(concrete.rs)が算定します。
鉄筋強度の未設定時の扱いは次のとおりです(詳細は 鉄筋(径区分に注意))。
通常の鋼部材・鋼小梁・S/CFT柱梁接合部の基準強度 F は、鋼材のF値と入力条件に従います。対応する材種は対象部位の実板厚から表のFを求め、保存された降伏応力で上書きしません。対応しない名称の割当済み鋼材は、正の有限値の降伏応力を直接用います。材料・必要寸法・直接入力強度の不備や、既知材種の適用範囲外は、対象と理由を示して検定計算を停止します。
名称の対応範囲は鋼材名の対応範囲を参照します。SRC内蔵鉄骨は対応材種と実板厚で強度を確定し、未知名の直接入力は適用根拠未確定として未算定とします。解析用終局耐力はそれぞれの計算経路の条件に従います。
主筋は断面への材料割当が必須です。未割当のモデルは解析前チェックで停止し、断面検定も「検定不能」となります。アプリが SD345 を自動割当することはありません。
せん断補強筋は、材料未割当のとき終局耐力の \( \sigma_{wy} \) のみ SD295 相当(295 N/mm²、SHEAR_REBAR_DEFAULT_FY)を用います。
対応グレード(SR235・SR295・SD295 系・SD345・SD390・SD490)の材料を割り当てているのに \( f_y \) が未設定(0 以下を含む)の場合は入力不備として停止し、断面検定は「検定不能(理由付き)」、解析は解析前チェックのエラーになります。
ST-Bridgeから取り込む強度
ST-Bridge入力では、標準強度の解決と編集の優先順位を用います。Fcは部材・断面・指定節点の明示原階・共通、鉄筋は部位ごとの明示強度と径別共通指定を区別します。未知の上位指定を下位の既知強度で補いません。独自の材料表や数値材料IDから任意物性を取り込む経路はありません。
内部で明示した任意物性・強度の編集と、OVIKAの保存・再読込・再採番は引き続き利用できます。ST-Bridge標準gradeによる採用と内部の明示材料による採用を区別し、表現できない任意値の完全保存にはOVIKAを使用してください。