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地震用重量・層データの生成

地震用重量と層データは、令 88 条に基づき固定荷重と積載荷重の合計として生成します。 自重・床荷重の梁せん断力(CMoQo による Q0)を単純梁の静定反力として節点へ配分する実務的取扱いによります。

部材荷重の節点への静定配分は符号付き単純梁反力の合力W・一次モーメントSによります。WがゼロでもSを失いません。ただし非正の節点反力と、地震重量・物理質量へ採用できることは別です。現行の下向き成分フィルタ、荷重用途・重量採否、同期自重置換後の負質量診断を維持します。正常域の数学一致は層生成成功を保証しません。 層生成の配分は支間が0以下なら0、点位置は支間内に制限、分布は開始位置を0以上・終了位置を支間以下に制限し、空区間なら0です。切断端の強度再評価は行わず、正常域外の数学保証はありません。

Q0は両端支持とした時のせん断力です。ここで扱う層重量への反力配分と、RC梁の断面検定に用いるQ0の評価方向・選択荷重の合成/包絡は区別します。学会規準原本の未確認箇所は、適合確認済みとは扱いません。

算定式(概要)

線材自重(設計重量):

通常線材の Beam・明示 Fiber・明示 MultiSpring は、同じ断面・用途・配置なら同じ重量です。 自重、鉄骨重量割増、付加線重量、仕上げ、被覆、柱の上下配分、下階柱と柱脚梁の探索、 大梁自重の柱面控除、壁自重の周辺柱梁内法判定に共通の扱いを適用します。 重量専用の接続判定であり、一般剛域や剛性の定式化は変更しません。

CFT は Column 用途の主架構線材専用であり、梁用途や二次部材には割り当てません。CFT 柱の自重は鋼管部と充填コンクリート部を分けて算定し、鋼管部だけに鉄骨重量割増を掛けます。

\[ w = \gamma \cdot A_{\text{eff}} \cdot L_{\text{eff}} \cdot \text{factor} \]

(鋼材は密度 > 0 なら \( \gamma = \gamma_s = 78.5\ \text{kN/m}^3 \) 固定。質量密度 0 なら 0)、その他の材料は \( \gamma = \rho \cdot g \)。 設計単位重量が固定でも、質量密度は物理質量の算定に使います。固定単位重量を使う参照鋼で物理単位重量が78.5 kN/m³を超える場合は、理由付きで設計重量の生成を停止します。カスタム鋼材の密度と計算可否を参照してください。

CFT 線材は鋼管部と充填コンクリート部を足し合わせ、\( w = \gamma_s \cdot A_s \cdot \text{factor} + \gamma_C \cdot A_c \) とします(\( A_s \)=鋼管断面積、\( A_c \)=充填コンクリート断面積、\( \gamma_C \)=無筋コンクリートの気乾単位体積重量。Fc と種類で決まり、鋼管部と充填部を重複計上しません)。鋼管部には通常の S 造と同じく factor を掛け、充填コンクリート部には掛けません。 RC/SRC 大梁は柱面間距離、RC/SRC 柱は解析節点間距離、S 梁・柱は節点間距離で算定します。 矩形 RC/SRC 大梁では、支持する床板との実重複体積を梁本体から控除し、DL と地震用設計重量に同じ量を使います。 大梁・小梁の床板下面までの嵩上げは、対象床板の材料と実体積から別に加算します。 設計単位重量による設計重量と、物理密度による動的質量を区別し、左右・区間ごとの材料を保持して支持先へ一度だけ伝達します。

RC/SRC 主架構大梁は断面用途 FrameSectionUse::Girder で判定し、節点間長から両端の柱フェース距離を控除します。 控除する相手は、端に接続する FrameSectionUse::Column の柱だけです。 直交大梁は控除に含めず、柱がない端の控除距離は 0 mm とします。 上下に柱がある端では、大梁の材軸方向に求めた柱面距離の小さい方を採ります。 これは自重の過小評価を避けるための採用条件です。 この選択による柱との重複評価の適用性は未確認です。 片側にしか柱がなければ、その柱面距離を使います。 たとえば芯々長 6000 mm・両端の柱面距離 300 mm なら、自重算定長は 5400 mm です。 同じ端にせい 900 mm の直交大梁が接続していても、この長さは変わりません。 S 造大梁は柱面を控除せず、芯々長 6000 mm をそのまま使います。

二次部材の小梁は RC・S とも、支持する大梁・小梁または鉛直柱の外側フェース間を設計自重算定長とします。 主架構の柱/大梁は断面用途で識別し、材軸の角度から用途を読み替えません。 片持ち小梁は支持端だけを控除し、自由端は控除しません。 小梁の断面方向は鉛直基準とし、水平材ではせい方向が鉛直・幅方向が水平です。 勾配材では鉛直方向を材軸直交面へ投影してせい方向を決め、断面方向の入力は追加しません。 主架構の支持部材には、その部材の局所断面方向を使います。 支持面には、共通局所座標で得られる補完なしの単位直交基底と同じ断面姿勢を使います。有限な参照方向でこの姿勢を解決できる場合、材軸方向成分の投影丸めや同じ向きの極大値によってフェース距離を変えません。支持面の断面姿勢を解決できない場合は、その支持材と理由を示して自重算定を停止します。 非対称断面は図心を材軸に置き、取付き側ごとに外側フェースまでの非対称距離を求めます。 穴・鋼管の空洞内面・CFT の鋼管と充填コンクリートの界面はフェースとせず、中心配置の外接矩形で非対称距離を対称化しません。 小梁の支持梁フェースは、支持梁の平面内材軸に直交する水平法線 n へ実断面を投影した範囲 [qmin, qmax] の外側境界です。 図心と断面姿勢を保持したまま投影し、小梁の 3 次元単位材軸 u が向かう側の境界 qside を使います。 控除距離は t = qside / (n・u) とし、局所側面を支持材の端面で切り詰めません。 斜め・勾配取付きもこの交点距離で控除するため、鉛直の梁せいを平面内幅へ流用しません。 支持材の断面が回転している場合は、その実際の姿勢を投影へ反映します。 H 形鋼の幅 200 mm・ウェブ厚 10 mm に水平直交する取付きなら、控除距離はウェブ外面の 5 mm ではなくフランジ外縁の 100 mm です。 溝形鋼の開口側もフランジ先端を境界とし、図心からの側ごとの距離を保持します。

この投影側面は、取付き高さにおける鋼材との接触面を表すものではありません。 小梁の自重は芯々長による評価より減少し、接合位置の局所的な接触面による評価とも異なることを開示します。

小梁を支持する鉛直柱のフェース

鉛直柱では、実断面を柱材軸方向へ延ばした外側側面と、小梁端から相手端へ向かう3次元半直線との正の交点のうち、同じ半直線上で最も遠い外側交点を採ります。 断面の回転は実際の局所断面方向を使います。支持梁の平面内投影外縁や断面平面との交点へ置き換えません。 H形でウェブを出た後にフランジへ再入する場合は、その先のフランジ外面を採ります。 角Rが既知の角形CFTは角丸の実外形を使い、幅・せいだけの矩形へ置き換えません。

選んだ同じ最外交点が、柱両端標高の閉区間内にあることを条件とします。上端・下端ちょうどの側面交点は含みます。 材軸平行、側面交点なし、最外交点が有限区間外、断面欠落・未対応形状、控除後長さが0以下の場合は、支持材を特定する理由付きの未算定です。 最外交点が柱の有限区間外でも、より近いウェブ面・柱端面・便宜幅・梁用投影・0控除へ切り替えません。 対象は厳密に鉛直な柱と既存の水平/傾斜小梁であり、傾斜柱の支持側面には対応しません。

たとえば矩形400×400 mmの柱に、小梁端 (0,0,3000) mmから単位方向 (0.8,0,0.6) で向かう場合、控除は250 mm、側面交点は (200,0,3150) mmです。 柱上端が4000 mmなら成立し、上端が3000 mmなら有限側面区間外です。小梁端が柱上端にあることだけでは成立しません。

この最外側面は採用した設計上の交点モデルです。控除の増加は正のDL計上自重を減らし得るため、自動的に安全側とは扱いません。 国内資料がこの支持アンカーと交点選択を直接規定するとはしていません。接合部の実際の納まりに対する妥当性確認は別に必要です。

これに対して RC/SRC 大梁の柱面は、実柱外形を柱軸に延ばした側面と大梁軸の交点です。 柱面を小梁用の平面投影へ読み替えず、円形柱の半径や矩形柱の回転方向も反映します。 たとえば芯々長 4000 mm・両端支持幅 400 mm の直交する矩形支持材なら、内法長は 3600 mm です。 芯々長 3000 mm・始端支持幅 300 mm・終端支持小梁幅 200 mm なら、内法長は 2750 mm です。

控除後長さが 0 mm 以下なら、部材・芯々長・両端の控除距離を示してエラーにします。 必要な支持材寸法や参照が解決できない場合も、控除を省略して重量の欠落を隠さずエラーにします。 フェース控除に用いる支持材の形状未定義断面は、幅・せいだけから実外形や図心を保証できないため、矩形へのフォールバックをせず明示エラーにします。 支持未解決の Detached は、生座標による芯々長の重量を保持して解析前エラーにする契約を維持します。 間柱の自重長は芯々のままです。 自重専用のフェース算定は、剛域長(剛域)の算定とは別です。 剛域・検定スパン・数量積算の長さには、この控除を適用しません。

線材自重の節点への配分は、柱(2 節点の鉛直な梁要素)とそれ以外で異なります。柱の単位長さ当りの自重を \( w_0 \) とすると、柱の全自重 \( W = w_0 \cdot L \)(\( L \) は柱の全長=節点間距離)は上下の節点重量へ 1/2 ずつ加算します。ただし下階に柱が接続しない RC/SRC 柱(一般には最下階の柱)では、柱下部の節点に取り付く梁の最大せい \( D_{\max} \) に相当する長さの柱重量 \( W_{\text{extra}} = w_0 \cdot D_{\max} \) を下端節点だけへ加算します(鉄骨柱には適用しません)。柱の総重量は \( w_0 \cdot (L + D_{\max}) \) です。梁・ブレースは部材の等分布荷重として扱います。この配分規則は地震用重量と長期応力解析用の DL 荷重ケース(自重の長期応力解析への接続)で共通です。

算定値と採用値の更新

形状・断面、材料密度と設計単位重量、鋼用途別倍率、壁増打ち・開口、仕上げ、 用途別地震用積載、支持伝達、手入力重量の変更後は、解析直前にも重量・物理質量を再生成します。 階名・床レベル・種別・手入力重量と利用者剛床設定は保持します。 階の自動算定値と、手入力を優先した採用値を区別して表示します。 X と Y は同じ確定重量を使い、方向ごとの生成で重量を加算しません。

自動算定の階重量・剛床重量・代表節点質量・自動荷重は、重量入力自身には含めません。 利用者が編集した剛床重量・Ci・代表節点・所属とマスター拘束は入力として保持します。 自動マスター拘束は、構造節点の現在の支持条件から更新します。 入力が同じでも保存・編集で生成結果が変わった場合は、出力の整合も確認して更新します。 重量と EX・EY は一括採用し、途中失敗では旧自動地震力を使用しません。 係数算定に必要な重量・階・剛床・周期の検査は、構造解析の剛性行列組立とは独立です。

再生成前の記録や、現在使われていない自動生成の代表節点も、参照先が実在すれば保存できます。 この保持は、現在の入力への採用可否を認定するものではありません。 保存・読込と解析前の参照先検査の範囲は、未完成の入力と参照の整合性を参照してください。 階の生成では、前回自動生成した代表節点の記録に実在しない節点があれば、対象を示して停止します。

実装参照:sepika_job::weight_preparation(crates/sepika-job/src/weight_preparation.rs)と sepika_job::prepare::prepare_model(crates/sepika-job/src/prepare.rs)が重量の鮮度と一括採用を扱います。

階共通耐火被覆の重量

本節では、S と CFT が混在する建物の耐火被覆重量を説明します。 被覆の種別と面重量は重量算定の入力です。防火被覆の要否、必要厚さ・認定仕様、火災時の耐力や一の柱を除いた架構の安全性は判定しません。 被覆なし・面重量0で計算できることは、令第70条に基づく防火被覆が不要であることを意味しません。必要な防火性能と、実際に採用する被覆の重量を別途確認してください。 各階の Story::fireproof に次の条件を保持し、部材ごとの上書きは設けません。

条件既定値GUI の単位
S 用種別なしなし/吹きつけ/成形版
S 柱用面重量0N/m²
S 梁用面重量0N/m²
CFT 用種別なしなし/吹きつけ/成形版
CFT 柱用面重量0N/m²

面重量は内部で N/mm² に換算します。 S と CFT は種別も面重量も独立しているため、同じ階でも S は吹きつけ、CFT は成形版といった設定ができます。 入力は有限な非負値とし、種別なし、または面重量 0 の条件は重量を加算しません。

対象は S 主架構柱・大梁、CFT 主架構柱、S 小梁です。 主架構の用途は FrameSectionUse::Column/Girder、小梁は SecondaryMemberKind::Beam で判定します。 片持ち大梁・片持ち小梁も含め、材軸の角度から対象用途を推定しません。 RC・SRC、ブレース、二次部材の間柱、CFT 梁には加算しません。

帰属階は、部材の端点のうちもっとも高い標高が属する階です。 主架構は材端節点、小梁は支持アンカーと自由端から解決した材端座標を用います。 床レベル上はその階、中間高さは直上階となり、複数階にまたがる場合も帰属階の条件を全体へ適用します。 正の面重量を持つ被覆条件で必要な階・用途・断面・材軸を解決できない場合は、別階や周長 0 へ読み替えず算定エラーにします。

周長 \(P\) [mm] は 被覆外周用半径と実外周 の共通 API から求めます。 吹きつけは H のフィレットと Box の角丸を含む実外周、成形版は包絡矩形を用い、円形はどちらも円周とします。 組立 H は板組輪郭を表す仕様を維持し、溶接ビードの輪郭を自動追加しません。 平鋼はモデルの中実矩形、中実丸鋼は円形の周長を使用します。 吹きつけに必要な半径が未知・不正の場合や、未対応の形状では算定エラーにします。 成形版は半径未知でも包絡寸法を解決できれば算定できますが、既知の不正半径は拒否します。

内部面重量を \(q\) [N/mm²]、既存の自重算定長を \(L\) [mm] とすると、被覆重量は次式です。

\[ w_{\mathrm{fireproof}}=qP,\qquad W_{\mathrm{fireproof}}=qPL \]

被覆は付加自重として加算し、steel_weight_factor は重ねて乗じません。 DL、地震用重量、物理質量相当重量へ同じ重量を加算し、質量は重量を重力加速度で除して扱います。 躯体の重量割増、自重算定長、既存の節点・支持部材への伝達方式は変更しません。 extra_line_weight は部材固有の例外追加重量として加算を維持し、通常の耐火被覆は階共通条件で入力してください。

小梁は既存のフェース間自重作用区間へ被覆の線重量を重ね、両端支持・片持ちとも同じ逐次反力伝達を使用します。 小梁検定で用いる自重荷重にも含めるため、主架構への反力だけに加算して小梁の曲げを取り落とすことはありません。 間柱が壁版から受ける荷重や、壁版自身の自重には被覆を追加しません。

階の再生成・編集 undo/redo・OViKA 保存では条件を保持します。 ST-Bridge から新たに生成する階は、被覆なし・面重量 0 で初期化します。 標準 ST-Bridge ではこの荷重条件を保存しないため、条件を含む保存・復元には OViKA を使用してください。 ダンパー総重量を指定した対象部材は、被覆を総重量に含め、階共通被覆を自動追加しません。

実装参照:StoryFireproof(crates/sepika-core/src/model/story.rs)が階共通条件を保持し、sepika_load::fireproof::{primary_line_weight, secondary_line_weight}(crates/sepika-load/src/fireproof.rs)が共通の被覆線重量を解決します。 主架構は enumerate_self_weight(crates/sepika-load/src/story_gen/self_weight_calc.rs)、小梁は beam_self_weight_udl・beam_mass_equiv_udl(crates/sepika-load/src/floor/beam_design.rs)で付加自重へ接続します。

ダンパー総重量の直接入力

設定する

  1. 「荷重」タブで「荷重計算条件」を開きます。
  2. 「ダンパー総重量(断面・付加重量を置換)」で対象の「部材#」を選び、 「総重量[N]」に重量を入力して「+ 追加」を押します。例えば20 kNなら 20000 と入力します。
  3. 重量を変更する場合も、同じ部材を選んで新しい値を入力し「+ 追加」を押します。 同じ部材の登録値は更新されます。指定の取消しは登録行の「🗑」で行います。 指定先を変える場合は新しい部材へ登録し、旧対象の登録が重複して残っていないか確認してください。

対象は2節点の制振ダンパー、またはダンパーとして重量を置換する柱・梁・ブレース・ ファイバー梁・マルチスプリングです。重量は有限な非負値とし、無重量として扱う場合は 0 N を指定します。 制振ダンパーとして配置した部材は総重量の指定が必要なので、無重量の場合も登録行を削除せず0を入力してください。

重量の範囲: 入力する総重量 \(W\) には、その部材としてモデル化した範囲の装置・支持部・ 被覆・仕上げ・その他の付加重量を含めます。支持部を別の部材としてモデル化した場合は、 その支持部の重量をWに含めないでください。装置だけの重量を入力したり、別モデルの支持部重量を 重ねたりすると、重量が不足または二重計上になります。支持部の面積・長さからの自動重量算定は行いません。

重量・質量の扱い

指定した部材では、断面から求める自重・要素質量、鉄骨重量割増、付加線重量、仕上げ、 階共通被覆を重ねて加算しません。元の断面は剛性・非線形特性のために使用します。 設計重量と物理質量相当重量に同じWを用い、DLには両端へ \(W/2\) ずつ、 動的質量には \(W/(2g)\) ずつを配分します(総質量は \(W/g\)、gは重力加速度)。 階へ集計した質量は床面の代表点へ集中し、水平X・Yと鉛直軸回りのねじれを扱います。 この重量から上下方向Zの動的質量は作りません。補正質点方式・質点のみ方式の選択は変わりません。

集中質量の制約: 装置・支持部の分布質量による局部応答や、装置・支持部自体の回転慣性の再現は 保証しません。安全側・危険側を一律には認定できないため、局部応答が重要な場合はモデル化範囲と 質量配置の妥当性を別途確認してください。

更新後の準備計算とエラー対処

重量の追加・変更・取消し、指定先の変更、材端・剛床の位置や拘束を編集した後は、 画面下部の「準備計算」パネルで確認してください。既存階の重量と質量の配分は、次の解析前にも更新されます。階が未定義なら 「▶ 準備計算 実行」 で初期化してください。 同じ階のW合計が変わらない編集や、通常部材へ0 Nを新たに指定する場合も、現在の入力から配分を確認して更新します。 生成結果の不足・不一致を指摘された場合や、読み込んだモデルで階の再生成を求められた場合も、 入力の不備を解消し、準備表示を確認してから解析を再実行してください。

総重量の未設定や対象部材・節点の不備がある場合は、該当する入力を修正してください。 正の重量の帰属階に床面の節点がない場合は質量を配置できないため、階レベルと節点配置を確認します。 例えば材端Z=3000 mm、階レベル0/4000 mmで4000 mmの床面に節点がないモデルは計算できません。 エラーを避けるために重量を0にしたり、別階へ移したりするのではなく、実際のモデル化に合う入力へ修正してください。

実装参照:load_cfg_panel(crates/sepika-app/src/tables/load_cfg.rs)が設定画面を提供し、 enumerate_self_weight(crates/sepika-load/src/story_gen/self_weight_calc.rs)が総重量を両端へ配分します。

RC/SRC 柱の仕上げ重量

RC/SRC 主架構柱の仕上げ面重量は、各階の共通条件として指定します。 未設定の値は 0 N/mm² とし、同じ階の柱には同じ値を適用します。 対象は FrameSectionUse::Column の RC/SRC 梁要素であり、材軸の角度で柱と梁を読み替えません。

適用する値は、もっとも高い材端節点が属する階の設定値です。 床レベルちょうどの節点はその階に属し、中間高さの節点は直上階に属します。 傾斜柱・水平配置の Column・複数階にまたがる柱も、この値を柱全体に適用し、階境界で区間分割しません。 所属階が解決できない柱はエラーとし、別階の値へ振り替えて重量の欠落を隠しません。 階が未定義または FL・差分が不足する場合は、明示入力を求めて階に依存する算定を停止します。 初回の DL 自動同期も同じ床レベルを使い、共通値は 0 とします。 階がすでに定義されている場合は、最上階より上の柱へ新しい階を補ってエラーを回避しません。

仕上げ周長は SectionShape の実形状から求めます。 矩形 RC/SRC 柱は \( \varphi = 2(b+D) \)、円形 RC 柱は \( \varphi = \pi D \) です。 単位長さ当たりの仕上げ重量は \( w_{\mathrm{finish}} = q_{\mathrm{finish}}\varphi \)(N/mm)となり、部材自重へ加算します。 たとえば幅 500 mm・せい 700 mm の矩形柱の周長は 2400 mm、直径 600 mm の円形柱は \( 600\pi \) mm です。 正の仕上げ重量を指定した柱の形状を解決できない場合や、面重量が負値・非有限値の場合もエラーにします。

荷重計算条件の GUI では階ごとに入力し、RC/SRC 柱は部材別仕上げ面重量の選択対象から除外します。 部材別 LoadCfg::finish_area_weight は RC/SRC 柱には適用しません。 特定柱だけ異なる仕上げ重量が必要な場合は、既存の追加荷重を入力してください。 RC/SRC 柱の仕上げと、梁仕上げ・耐火被覆・鉄骨重量割増は別の条件として扱います。

実装参照:Story::column_finish_area_weight(crates/sepika-core/src/model/story.rs)が階共通値を保持します。 enumerate_self_weight(crates/sepika-load/src/story_gen/self_weight_calc.rs)が仕上げ重量を算定し、DL と地震用重量で共有します。

壁・シェル自重(設計重量)

壁版は、物理壁版IDごとに躯体実領域・板厚・材料・開口・仕上げから共通総量を求めます。生成Wall、剛性に算入しない壁版、Attachedを二重計上しません。設計重量・物理質量相当重量・解析Wallの質量行列負担は用途別に保持します。

対象・入力単位総量の算定条件配分・未算定
躯体板厚・材料・境界mm・kN/m³正の板厚と解決可能な実領域境界断面・材料・向き不足は壁ID付き診断
位置付き矩形開口mm実領域内の和集合を控除重なりを二重控除しない。外側・自己交差・不正入力は診断
開口面積だけ/位置なし個別開口mm²・mm単一開口の成分総量は算定可能階帯・実体積中央配分は未算定。複数開口で和集合も不明なら総量も未算定
仕上げ・増打ち面荷重kN/m²現在の入力は正味実領域上一様分布分布不明の別の荷重を一様分布へ読み替えない
開口部重量N非負の成分総量を加算位置・分布入力が無いため階配分は未算定
DL方式/任意辺率—支持条件と別に明示選択地震用階帯・物理総量を変えない

未算定を0、半々、仮の重心、DL反力で補いません。必要な地震用計算は壁IDと不足理由を示して停止します。0以下の板厚、負値、NaN・∞、途中で非有限となる計算結果も診断します。

壁の階帯は既存の隣接階レベルの中間標高で区切り、実領域との交差を積分します。DL方式・任意辺率・小梁反力は使いません。多層壁は同じ壁IDの総量と各帯内訳を保持します。基部より下・最上階より上で領域を覆えない場合、未定義端帯を推測しません。

幅4m・高さ3m・厚さ0.2m・γ24kN/m³で総57.6kN。上半分の2m²開口なら総48kN、下28.8/上19.2kN、下半分なら19.2/28.8。中央跨ぎは各帯との実交差を控除します。三方スリットでも階帯は28.8/19.2で変わりません。

床0/3000/6000/9000mmで幅4000・厚200mmの壁3000..6000なら3000階28.8kN/6000階28.8kN。3000..9000なら28.8/57.6/28.8kN、計115.2kNです。生成要素数で総量を変えません。

補正質点方式は物理質量相当重量から行列負担を控除し、質点のみ方式は物理全量を代表質点へ置きます。必要な床面スレーブ節点が無い場合は質量を失わせず壁ID付き診断です。シェルは従来の面積・頂点集計を維持します。壁の断面と自重に実領域の条件と出典を示します。

公開生成方法壁自重の扱い
Density共通総量を独立階帯へ積分
SyncedGravityCases同期壁自重を識別してDL反力を除外し、同じ階帯を一度加算。再同期で増分なし
GravityCasesOnlyケースの荷重だけを使用。手入力ケースを壁自重へ読み替えない

実装参照:generate_stories_with_opts・generate_stories_with_synced_self_weight(crates/sepika-load/src/story_gen/generate.rs)、Model::wall_weight(crates/sepika-core/src/model/wall_weight.rs)を参照してください。

節点の階・剛床への割り付け

階の FL・ΔSL は利用者入力を保持します。SL を自動所属の区間境界と剛床候補面に使い、階高は FL 間差を使います。 最下階の所属区間は構造最下端から最下階 SL までで、構造最下端を FL として追加しません。 明示所属・利用者剛床を保持し、SL 面から 1 mm を超えて離れた中間節点を新規剛床へ含めません。 未設定の FL・差分があれば推測で補完せず、依存計算を停止します。入力方法と使い分けは階の分布を参照してください。

動的解析用の質点質量の設定

階の生成は、剛床代表節点(マスター)へ動的解析(固有値・時刻歴・精算固有周期)用の質点質量をあわせて設定します。動的質量は物理質量(鋼材は物理質量密度 7.85 t/m³)に基づき、地震用重量(設計重量。鋼材は 78.5 kN/m³)とは一致しません。鉄骨重量割増 factor(スチフナ・スプライスプレート・ボルト等の実重量の割増)は、設計重量だけでなく動的質量側にも 7.85 t/m³ ベースで同じ値を掛けます(主架構線材・二次部材で同一の規則)。CFT 線材の動的質量は解析の質量行列と同じく鋼管部(7.85 t/m³)と充填コンクリート部(γC)の合計とし、鋼管部にだけ factor を掛けます。質量方式(固有値解析の質量モデル)に応じて:

  • 補正質点方式(既定): 各節点の物理質量相当重量 \( w_{\text{mass},i} \) から、解析の質量行列に部材密度の分布質量として計上される分 \( w_{\text{frame},i} \) を控除した \( \text{net}_i = \max(0, w_{\text{mass},i} - w_{\text{frame},i}) \) を用いる(密度質量との二重計上防止。仕上げ・付加線重量・鉄骨重量割増の増分・二次部材・雑壁・ダンパーの自重は分布質量に入らないため控除しない)
  • 質点のみ方式: 控除なしの物理質量相当重量の全量 \( w_{\text{mass},i} \) を用いる

両方式の公称並進総動的質量は一致します(\( \sum w_{\text{mass},i}/g \))。

主架構線材の物理質量相当と質量行列控除は、解析と同じ総断面・芯々長を使います。 RC/SRC 大梁の設計自重長を控除しても、この物理質量の幾何は変更しません。 二次部材小梁は質量行列に入らないため、物理密度による自重も同じフェース間区間へ載せます。 断面質量特性と芯々長から求める質量と、二次小梁から支持先へ伝える物理質量相当は区別します。 フェースの是正は後者の作用長を変え、節点の物理質量相当・階の動的質量にも反映されます。断面質量特性と芯々長の保持だけで、これらの転送量の不変を保証しません。 たとえば単位長質量0.000157 t/mm・芯々長6000 mmなら断面質量特性からは0.942 tですが、両端控除が各266.274169979695 mmなら転送量は0.858389910626376 tです。 転送量・動的質量の増減を、自動的に安全側とは扱いません。 設計重量と物理質量相当は別々の単位重量・密度から算定し、設計重量を重力加速度で割って物理質量に読み替えません。

マスターの並進質量(水平 2 方向)と剛床面内の回転慣性は次によります(\( r_i \) は慣性力重心からの平面距離、\( g \) は重力加速度):

\[ m = \sum \text{net}_i / g, \quad J = \sum (\text{net}_i / g) \cdot r_i^2 \]

質点系(串団子)用の動的質量:上記の剛床マスター質量はフレーム(質量行列)用で、補正質点方式では分布質量分を控除した net 質量です。 これとは別に、階の生成は質点系へ渡す層の物理質量相当を Story::dynamic_mass(mass_equiv_weight_n・center_xy_mm・inertia_t_mm2)として保存します。 質点系は部材分布質量を持たないため、質量方式に依らず物理質量相当重量の全量 \( \sum w_{\text{mass},i} \) を集計し、回転慣性はその分布から質量重心まわりに直接算定します(質点系解析の「質量」)。

実装参照:sepika_load::story_gen(story_gen/mod.rs)が算定し、 自重の算定規則は enumerate_self_weight に一元化して、後述の DL 荷重ケース(自重の自動同期)と共有します。 大梁・小梁の自重専用フェース区間は sepika_core::face_distance::girder_self_weight_interval・secondary_self_weight_interval(crates/sepika-core/src/face_distance.rs)が求め、実形状は SectionGeometry(crates/sepika-core/src/section_shape/face_geometry.rs)を共有します。 鋼材の設計用単位体積重量は \( \gamma_s = 78.5\ \text{kN/m}^3 \) 固定(固定荷重。密度 > 0 のとき。保存密度に依存しない)です。物理質量密度は 7.85 t/m³ です。 CFT 充填コンクリート部の設計用単位体積重量・物理質量密度は、どちらも sepika_core::model::Material::cft_core_design_unit_weight_n_per_mm3・Material::cft_core_mass_density(crates/sepika-core/src/model/material.rs)が無筋コンクリート(ConcreteComposition::Plain)の単位体積重量表 \( \gamma_C \) から換算します。 なお数量積算は積算慣用値の 7.85 t/m³ を用いており、値は物理質量密度と同じですが用途は独立です (数量積算の算定式)。

重力ケースの選択:地震用重量に算入する荷重ケースは LoadCaseKind から選択します(固定 Dead + 地震用積載 LiveSeismic。LiveSeismic がなければ Live で代用)。 骨組用積載ケースは除外します。種別未設定のモデルでは先頭ケースのみを用います。 標準構成では自重を含む「DL」と「LL(地震用)」が算入されます。階の生成では密度からの自重直接算入を行わず、DL に含まれる設計自重を物理質量へ置換する専用入口 generate_stories_with_synced_self_weight を使います(DL へ自重を同期済みであることを呼び出し側が保証する。generate_stories_with_opts の include_density_self_weight = false は密度算入を行わず重力ケースの内容だけを算入するモードで、モデル自重の置換もしません。荷重の入力(節点荷重・部材荷重) 参照)。

床板本体も、この自重同期済みモードでは材料密度による物理質量へ一度だけ置換します。 仕上げ・用途別積載・先端荷重は床板本体の置換対象に含めません。 単位・材料優先解決・適用制限は床板の物理質量と適用モードを参照してください。

手入力の地震用重量:階の地震用重量は、上記の集計値に代えて階ごとに直接入力できます。 入力した値は準備計算で階を生成し直しても保持され、集計値より優先して Ai 分布の \( W_i \) に用います (準備計算)。

実装参照:手入力は sepika_edit::SetStoryWeight(crates/sepika-edit/src/wall_misc.rs)が受け付け、sepika_core::model::Story::weight_override(crates/sepika-core/src/model/story.rs)に保持して実効値 Story::seismic_weight へ反映します。準備計算で階を再生成しても手入力値が優先されます。

壁版と間柱の明示した支持先

壁版支持辺率・間柱端部率はDLの伝達へ使います。壁の地震用階重量はこの反力を使わず水平帯積分です。間柱自身の既存反力伝達は自重の長期応力解析への接続を参照してください。