結果の表示(3D ビューア)
この章では、解析結果を画面に出すときの仕様をまとめます。 3D ビューアでの変形・応力などの表示計算と、左ドックのナビゲータから結果を切り替える 操作の両方を扱います。 ここでの計算はいずれも画面表示のための処理であり、解析結果(節点変位・部材応力) そのものには影響しません。
この章の内容
- 変形図の表示倍率
- 梁の内部たわみ表示(内挿の切り替え)
- 応力図の表示と変形の重ね表示
- 床・二次部材の変形追従(表示用の変位補間)
- 支持条件・剛床マークの表示
- 検定比の表示
- モデル化の表示
- 応力図(M 図)の曲線補間
- ヒンジ図の表示
- 時刻歴アニメーションの表示
- 層応答分布グラフの表示
- 構面の表示(軸組図・伏図)
- 質点系の 3D 表示
- ナビゲータの解析結果ツリー
- 床板・壁版の表示
表示操作の場所
ビュー上部の主操作行には、左から表示モードの選択欄、表示範囲の選択欄、 「全体に合わせる」、前/次の通り・階(◀/▶)、「断面表示」「床壁・二次部材」「表示設定」が並びます。 表示モードの選択欄で現在のモードを確認し、一覧から切り替えます。 時刻歴は詳細記録がある場合、質点モード・質点時刻歴は質点系の結果がある場合に選べます。 表示範囲は「全体(3D)」、通り(軸組図)、階(伏図)から選びます。 通り・階のない模型では「全体(3D)」だけを選べます。
応力成分、CMQ の成分と軸、検定式、モード次数、モデル化の解析種別、変形倍率、 時刻歴の再生など、現在の表示モードに対応する操作と結果の案内は、主操作行の下に表示します。 「支点」「剛床代表点」「通り芯グリッド」などの補助表示は「表示設定」にまとめています。 利用できる項目は模型と表示モードによって異なります。
幅が足りなくなると、まず「全体に合わせる」と前/次の通り・階、次に「断面表示」「床壁・二次部材」が 「表示設定」へ移ります。幅を戻すと元の位置に戻り、設定値は引き継ぎます。 主操作行は折り返しません。長い選択名は省略し、ポインタを重ねるか選択一覧を開くと 全文を確認できます。さらに狭い幅では主操作行を横スクロールして操作します。
「表示設定」末尾の「操作案内」では、現在の表示範囲に合う操作を確認できます。 全体(3D)は左ドラッグで回転、右ドラッグで移動、構面は左ドラッグで移動します。 いずれも描画領域上でスクロールまたはピンチすると、ポインタ位置を保ったまま拡大・縮小します。 画面を移動した後や、部材のない空白上でも同じ操作ができます。倍率の限界では画面は移動しません。 ピンチでポインタ位置を取得できない場合は、現在の投影中心を基準に拡大・縮小します。 ViewCube 上や手前のウィンドウ・ポップアップへのズーム操作は、背後の模型には適用しません。 ViewCube は全体(3D)の描画領域の右上に表示し、 面や角をクリックすると視点を切り替えます。
拡大・移動した後は「全体に合わせる」を押すと、現在の視点方向を保ったまま、 画面移動を解除して全体表示の倍率へ戻ります。構面では選択した通り・階への正対を保ちます。 ウィンドウのサイズ変更やパネルの開閉後も、その時点の描画領域に合わせます。 表示モード、部材の選択、結果ケース、変形倍率などの設定は変わりません。
全体表示の基準は、全体(3D)では模型の全節点、構面では対象要素の節点の未変形座標です。 構面の対象要素から有効な節点を得られない場合は、構面の選択と視点方向を保ち、模型全体の節点範囲を使います。 部材などの表示・非表示や選択状態によって、この基準は変わりません。 断面外形、変形図・応力図の張り出し、注記・グリッドなどを含む、すべての描画物が収まる操作ではありません。
実装参照:sepika_app::viewer::controls::primary::primary_controls(crates/sepika-app/src/viewer/controls/primary.rs)が主操作行と表示設定を、sepika_app::viewer::controls::view_controls(crates/sepika-app/src/viewer/controls.rs)がモード別操作を扱います。
部材のホバーと選択表示
3D・構面ビューは淡い灰色の背景に模型を表示し、通り芯グリッドは部材より細い灰色の線で示します。 通常部材へポインタを重ねると青い補助線が一時的に現れ、部材から外すと消えます。 選択した部材は、より太い紫の補助線で示します。ポインタを外しても残り、選択中の部材へ ポインタを重ねても同じ選択表示を維持します。複数選択では各部材に適用します。 表示範囲外の部材は強調せず、選択は保持します。
線材表示では部材線に沿って、断面表示では中心線などに沿って状態を示します。 断面全体を塗り替えないため、H形の凹部や空隙は残ります。 応力図・検定比・モデル化・ヒンジの色は結果や凡例の意味を表し、青・紫の補助線は操作状態を表します。 結果の線色・塗り・数値はそのまま読み取れます。作成・割当・荷重対象指定中は、それぞれの専用プレビューを使います。
実装参照:sepika_app::viewer::viewer_panel(crates/sepika-app/src/viewer/mod.rs)が通常部材の状態表示を、sepika_app::theme(crates/sepika-app/src/theme.rs)が配色を定義します。
CMQ 図(表示モード)
3D ビューアには、大梁の C(端部固定値)・M(荷重込み曲げモーメント)・ Q(荷重込みせん断力)を表示する CMQ 図モードがあります。節点変位を0とし、建物共通の「剛域を考慮する」設定、局所軸、材端解放に従って算定します。単純梁の参考値ではありません。建物全体の変位による応力を含む解析結果は応力図で確認します。 解析の実行を必要とせず、モデル・荷重ケースの入力内容だけから毎フレーム描きます。梁の実材軸上に表示し、部材長と局所軸も実材軸から評価します。 CMQ 図表示中は床・二次部材の変形追従メッシュを描きません (床・二次部材の変形追従)。
ソースはナビゲータ/荷重タブで選択中の荷重ケース(nav.focus_load_case)の部材荷重
(LoadCase.member)そのものです。 床荷重の分配(自立壁を床へ上乗せした等価面荷重を
含む)・梁自重・取り付く壁版の線アンカー分布・手入力の部材荷重のいずれも、そのケースに
載っていれば同じ図に重ねて表示します。柱への節点集中荷重(取り付く壁版を両端の柱へ集中させた場合等)は梁に載る
荷重ではないため表示されません。荷重ケースが未選択の場合は先頭の荷重ケースを表示します
(静解析の対象決定と同じ規約)。
「DL」「LL(架構用)」「LL(地震用)」の内容は準備計算(またはいずれかの解析実行。 どちらも内部で同じ同期処理を通ります)が書き込みます。モデルを読み込んだ直後や スラブを編集した直後で準備計算をまだ一度も実行していない場合、これらのケースの CMQ図は空(部材荷重なし)のまま表示されることがあります。準備計算タブで実行すると 最新化されます(「EX」「EY」はこの制約の対象外です。水平力は常に節点荷重のみで 表され、準備計算の有無にかかわらず CMQ 図には元々何も表示されません)。
「成分:」で C/M/Q を、「軸:」で強軸(ey)・弱軸(ez)を切り替えられます(既定は強軸のみ)。 部材の局所軸が傾いている場合(斜め柱、ひねりのある断面等)、鉛直荷重でも強軸・弱軸の 両方に成分が生じうるため、荷重の作用方向を各部材の局所軸へ投影してから C/M/Q を計算します。 両軸を同時表示するときは同一スケールで重ねて描き、弱軸(ez)は強軸(ey)より半透明に 描きます(構面ビューでは強軸・弱軸の張り出し方向が同一直線上に重なるため、色だけでは 区別できないことがあります。透明度で見分けられるようにしています)。
選択中の軸に有意な荷重成分がない場合(例: 直交グリッドの部材で弱軸のみを選択した場合、 鉛直荷重はほとんど強軸側にしか投影されません)、CMQ図は空欄になり、その旨の案内を 表示します。
準備計算 CSV の出力項目は、CSV 出力・プロジェクトファイルへの保存を参照してください。
実装参照:CMQ 図は sepika_app::viewer::cmq::draw_cmq_diagram(crates/sepika-app/src/viewer/cmq.rs)が選択中の荷重ケース(nav.focus_load_case)の部材荷重から C・M・Q を求めて描き、表示モードは sepika_app::viewer::ViewMode::Cmq(crates/sepika-app/src/viewer/mod.rs)で、成分と軸(既定は強軸のみ)を切り替えます。ViewMode::Cmq では床・二次部材の変形追従メッシュを描きません(同ファイル)。