RC 部材 非線形復元力特性
梁の曲げ降伏骨格
採用式と境界
降伏時剛性低下率は、原点から降伏点までの割線剛性と初期曲げ剛性の比です。 SEPIKAでは、\(r=a/D\)、\(n=E_s/E_c\) として、
\[ \alpha_y = \begin{cases} (0.043+1.64 n p_t+0.043r)(d/D)^2 & r\le 2.0 \\ (-0.0336-0.1935 n p_t+0.1270r)(d/D)^2 & r>2.0 \end{cases} \]
\(b,D,d,a\) はmm、\(E_s,E_c\) はN/mm²、\(p_t=a_t/(bD)\) は小数です。1%は0.01です。 せん断耐力用の \(100a_t/(bd)\) [%]、せん断補強筋比 \(p_w\)(小数)とは独立に扱います。 有効せい \(d\) は全せい \(D\) 以下とし、寸法・材料比・せん断スパンは正の有限値が必要です。
\(n=10,p_t=0.01,d/D=0.9\) の独立計算は、\(r=1\) で0.2025、\(r=2\) で0.23733、 \(r\to2+\) で0.1628505、\(r=5\) で0.4714605です。境界の不連続を補間しません。 入力域へのクランプや非正結果の0置換も行いません。数式を評価できること、設計対象に適用できること、 受動ばねへ接続できることを区別します。有限な非正値も式の評価値として保持しますが、降伏骨格へ適用できません。
菅野(1973)の原研究資料域は、引張鉄筋比0.4–2.8%、せん断スパン比2–5、軸力比0–0.55です。 この資料域はSEPIKAの採用分岐条件と同じではありません。資料域内の入力でも、採用分岐の原典裏付けと 設計対象での実験的妥当性を確認済みとは扱いません。資料域外の数値評価は外挿であり、精度や安全側を保証しません。
T形梁の引張方向と幾何断面
下端引張ではスラブを圧縮側として、協力幅 \(B\)・全せい \(D\) の仮想長方形で \(p_t=a_t/(BD)\) を算定します。下端引張に上端用のI補正を重ねません。 上端引張では元の梁幅 \(b\) を使い、協力幅内のスラブ引張筋を加えて \(p_t=(a_t+a_{t,slab})/(bD)\) とし、
\[ \alpha_y'=\alpha_y I_0/I_T,\qquad I_0=bD^3/12 \]
と補正します。\(I_T\) は参加するコンクリート幅・厚さ・高さから図心を求めた幾何断面二次モーメントです。 鉄筋換算断面や材料ヤング係数比を再度含めた剛性を \(I_T\) としません。 総角のT形初期剛性にも同じ \(I_T\) を使い、\(\alpha_y'K_{0T}=\alpha_y3E_cI_0/a\) となります。 例えば \(I_0/I_T=0.5\) なら上端の係数は半分です。
現行の集中ばね解析には方向別のスラブ引張筋面積と正負別骨格の入力が揃っていません。 スラブ協力付きRC梁は理由を表示して解析を停止し、矩形梁として代用しません。 方向別の式を数値評価できることは、T形梁をGUIから解析できることを意味しません。
せん断スパンと総部材角
一定せん断力・三角形曲げモーメント分布を基準とし、\(a=|M/Q|>0\) から
\[ K_0=3E_cI/a,\qquad R_y=M_y/(\alpha_yK_0) \]
を求めます。\(Q=0\)、反曲点が評価区間外、分布荷重等で三角形曲げ分布を満たさない場合は自動接続できません。 逆対称で両半部材が同じ場合だけ、\(a=L/2\)、\(K_0=S=6E_cI/L\) とします。 \(L\) は節点間長から剛体アーム長を控除した柔部材長です。協力幅算定用のスパンとは区別します。 柔部材長が非正の場合に全長へ置き換えません。
曲げひび割れは \(M_c=0.56\sqrt{F_c}Z_e\)、\(R_c=M_c/K_0\) とします。 この矩形基準の \(Z_e=bD^2/6\) は、係数・降伏強度と同じ形状の幅・全せいから求めます。 \(M_c<M_y\)、\(R_c<R_y\) が必要で、ひび割れ点や降伏点を丸めて順序を整えません。 『2025年版 建築物の構造関係技術基準解説書』第2版第1刷、付録1-3.1(1)④a)、p.697、 式(付1.3-1)は鉄筋を考慮した断面係数と軸力項ND/6を含みます。 本節の集中ばねはコンクリート幾何断面係数と軸力項を含まない骨格です。 圧縮軸力によるひび割れ耐力の増加・鉄筋換算断面を含む同式全体への適合を保証しません。 同式の数値適用域はコンクリート圧縮強度18〜60 N/mm²、軸応力N/(bD)=0〜10 N/mm²です。 軸力0でも鉄筋考慮断面係数と幾何断面係数が同じとは限らず、本節の省略を設計対象に適用できるとの判断は保留です。 ひび割れの早期判定だけから、変形や応力分配が常に安全側になるとは判断できません。 第2勾配は \((M_y-M_c)/(R_y-R_c)\) であり、\(\alpha_yK_0\) を区間勾配として使いません。 経験式の総降伏部材角に独立したせん断・抜出し変形角を加算しません。
弾性梁へ接続する追加端ばね
同じ逆対称基準の弾性角は \(M/S\) です。集中端ばねへ渡す追加角と降伏時割線柔性は、
\[ R_{s}=R-M/S,\qquad f_{s,y}=(1/\alpha_y-1)/S \]
です。ひび割れ前の追加柔性0を有限の近似ばねへ置換しません。 \(\alpha_y=1\) は降伏点まで追加柔性0、\(\alpha_y>1\) は負の追加柔性になるため受動ばねへ接続できません。 後者も数式の総降伏角自体は保持します。 追加骨格の第2勾配は \((M_y-M_c)/(R_{s,y}-R_{s,c})\) です。総骨格の第2勾配とは区別します。
\(E_cI=10^{12}\) N·mm²、\(L=6000\) mm、\(M_y=10^6\) N·mm、\(\alpha_y=0.25\) なら、 \(S=10^9\) N·mm/rad、弾性角0.001 rad、総角0.004 rad、追加角0.003 radです。 弾性梁へ総角0.004 radを追加して0.005 radにしません。 この経験式基準の強軸には初期曲げ剛性を用い、独立したせん断柔性を加算しません。 弱軸と軸の既存モデルは別に扱います。
GUIでの指定と制限
部材表の「RC梁基準」で「逆対称・同一半部材の基準」を明示選択します。既定は「未指定」です。 この指定は基準骨格の選択であり、解析で生じる実応力分布へ適合することの確認ではありません。 取り込みや準備計算が自動選択することはありません。未指定の採用式接続は理由付きで停止します。
対象は一様な矩形RC梁、上下同一配筋、対象曲げ面の端部解放なし、ハンチなし、同じ両半部材です。 対象軸の弾性梁Iとコンクリート幾何Iが一致する必要があります。 材端集中ばね専用です。基準を指定したままファイバー・MS・柱・その他要素へ変更した場合は、使用できない理由を表示して解析を停止します。 基準未指定のファイバー・MSモデルは、それぞれの既存骨格を使用します。 武田型・逆行型・最大点指向型に限定します。原点指向型は当該初期剛性とひび割れ点を持たないため未対応です。 Karsan–Jirsa型はこの集中RC梁経路では未対応です。コンクリート材料用の履歴則を武田型へ代用しません。 標準型・辻山田型・座屈考慮型は採用αyを用いる骨格の対象外です。基準指定からこれらへ黙って代用しません。 増分・時刻歴はそれぞれ実行する側の履歴則を診断します。 ヒンジ詳細と保有水平耐力解析は材料強度基準、時刻歴は公称値基準で降伏モーメントを算定します。 使用する強度基準でMyが正の有限値でない、Mc<My・Rc<Ryが成立しない場合は、原因付き未算定として解析を停止します。 材料強度係数が1未満であることだけでは拒否せず、当該骨格の成立を確認します。 当該解析で載荷する長期ケースに中間部材荷重がある場合は、この基準へ接続できません。 長期載荷を無効にした時刻歴では、保存されているだけの未適用荷重を拒否理由にしません。
ヒンジ詳細のM–θ骨格と端ばね応答は弾性角を控除した追加角です。総降伏部材角とは区別して読んでください。 数式との一致は対象構造物への設計適用保証ではありません。一般分布荷重やT形方向別の解析、 新しい履歴則への一般化は本接続の対象外です。
文献と確認範囲
- 菅野俊介、刊行元:日本コンクリート工学会(J-STAGE)、「鉄筋コンクリート部材の復元力特性に関する研究」、コンクリートジャーナル11巻2号(1973)、pp.1–9、DOI:10.14826/coj1963.11.2_1。p.5式(12)は割線剛性比の定義、p.6式(13)は軸力比項を含む長方形部材の基本式と原研究の資料域です。原研究の式とSEPIKAが採用する第2式・分岐は同一と扱いません。
- 日本建築学会RC規準改定小委員会、2008年公開改定案・8条、p.9:M/Rと6EI/l、p.13:a=M/Q、pp.13–14:T形補正。公開改定案であり2018年版原本ではありません。
『2025年版 建築物の構造関係技術基準解説書』第2版第1刷、pp.697–698、式(付1.3-3)・(付1.3-4)は、 長方形部材のせん断スパン比2〜5の基本式と1〜2の短スパン式を示し、軸力比項も含みます。 SEPIKAの採用分岐・第2式とは異なるため、同書への一致を採用理由とはしません。 本節の採用式は軸力比を入力に含まず、原研究の基本式とは軸力比0で比較します。 係数の大小による変形・応力分配への影響は入力と解析条件に依存し、全条件で安全側とは扱いません。 原研究の資料域への制限だけで、異なる採用分岐の設計適用を保証することもできません。 直接引用先の日本建築学会『鉄筋コンクリート終局強度設計に関する資料』(1987)p.17は未閲覧です。 公開資料の式と実装のVerification、原典による分岐裏付け、対象実験によるValidationを分けます。
実装参照:sepika_core::rc_capacity・rc_beam_backbone、sepika_element::factory・frame::concentrated。
入力診断APIの既定は公称値です。実解析入口では ensure_nonlinear_input_with_basis に実使用強度基準を指定します。
耐震壁(せん断非線形トリリニア)
断面検定で算定する参考骨格です。解析で使用する壁エレメントの弾完全塑性せん断モデルとは別です。 ひび割れ点・終局点は純せん断成分に対して評価し、曲げ変形を含む全体剛性を初期剛性に代入しません。
横筋による剛性低下率
SEPIKAでは、明示した横筋比と降伏強度から次式を用います。
\[ \beta_s = 0.46 p_{wh} \sigma_{wh}/F_c + 0.14 \]
ここで \(p_{wh}\) は実壁厚に対する壁横筋比(小数)、\(\sigma_{wh}\) は横筋の明示降伏強度、\(F_c\) はコンクリート設計基準強度(ともに N/mm²)です。 直交2方向の最小筋比 \(p_s\) と独立に横筋比を入力します。最小比を横筋比とみなす推定は行いません。 終局耐力式の等価壁厚換算比 \(p_{wh,e}=p_{wh}t/t_e\) とも区別し、剛性低下率には換算前の比を用います。 水平力分担の係数 \(\beta_u\) とは別の量です。
同書2025年版、付録1-3.1(3)⑤b)、p.714、式(付1.3-29)もこの終局点のせん断割線剛性比を示します。 原研究の強度170〜280 kgf/cm²、高さ/柱心距離0.33〜1.63、壁筋比0〜1.5%を適用域とし、 計算では同じ応力単位にそろえた横筋強度/Fcの比を用います。
「せん断剛性低下率」の骨格への適用点は公開一次資料で補います。 菅野(1973)p.8 式(23)(24)は \(\beta_u=K_{su}/K_{se}\)、\(K_{su}=\tau_u/R_{us}\)、\(K_{se}=G/\kappa\) と定義しています。 したがって終局点への原点からの割線剛性比であり、ひび割れ後の区間勾配の比ではありません。 原研究では全変形から曲げ成分を差し引き、せん断成分を取り出しています。 同論文の記号 \(\beta_u\) は、本節の \(\beta_s\) に対応します。 建築研究資料197号p.7-30の評価手法C、p.7-53式(7.5.41)・図7.5.16(b)でも、せん断強度点への変形を \(Q_{su}/(\beta_u K_e)\) としています。
耐力・骨格点・単位
無開口壁のひび割れ耐力は、次式を採用します。 この参考骨格の採用式は同書2025年版p.712の式(付1.3-26)・(付1.3-27)とは別式です。 同頁の軸応力・断面形状係数を含む推定や、kgf系で定義された下限傾向の式を再現しません。 ひび割れ点の精度や適用対象への妥当性を、終局耐力式の数値一致で保証しないでください。 採用Qcの一次原典について、壁種別・側柱・軸力の対象条件は未照合です。以下の入力成立条件は、Qc式の実験的適用範囲を確認済みであることを意味しません。
\[ A_{w,Qc}=t l_w \quad [\mathrm{mm^2}],\qquad Q_c=0.1F_c A_{w,Qc} \quad [\mathrm{N}] \]
\(t\) は実壁厚、\(l_w\) は側柱中心間の距離(ともにmm)、\(F_c\) はN/mm²です。 この単位は本アプリの採用契約です。kgfへの換算を重ねません。 Qc用面積は壁板の柱心間距離×実壁厚であり、側柱面積を加えません。Qu用の等価断面や軸応力度用の物理面積とも区別します。 例えば \(t=200,l_w=4200,F_c=24\) なら \(A_{w,Qc}=840000\) mm²、\(Q_c=2016000\) Nです。 \(l_w=2100\) ならQcは1008000Nです。柱断面・柱主筋・縦横筋比・軸力はQc式の項ではありません。 ただし、これらの入力はQuや参考骨格全体の成立条件を左右します。 終局せん断耐力Quは建物共通の荒川min/荒川mean二択で、新規モデルの既定はmeanです。 参考骨格の終局せん断耐力も両側柱付き壁を対象とし、圧縮側柱のせいは有限の正値を必要とします。無側柱・片側柱の壁を壁板全縦筋によって代用評価しません。 二式・D/d・等価壁厚teと物理面積A・λの1〜3制限は壁脚内力と初期耐力を正とします。 σ0が0〜0.4Fcの範囲外の場合は未算定とし、限界値へ丸めて成功にしません。 \(Q_c\ge Q_u\) となる入力は骨格を算定できないと通知し、ひび割れ点を終局点へ丸めません。
剛性用の物理断面積 \(A\) は壁板と側柱の重複を控除した軸断面積です。Qc用面積とは別です。 純せん断の有効面積を \(A_s=A/\kappa\)、壁高さを \(h\) とすると、
\[ K_0 = GA_s/h \quad [\mathrm{N/mm}],\qquad \delta_c=Q_c/K_0,\qquad \delta_u=Q_u/(\beta_s K_0) \quad [\mathrm{mm}] \]
骨格は原点・ひび割れ点・終局点の3点です。せん断角 \(\gamma=\delta/h\) を用いる場合は初期剛性を \(K_e=GA_s\) [N] とし、\(\gamma_c=Q_c/K_e\)、\(\gamma_u=Q_u/(\beta_s K_e)\) とします。 矩形均質断面の形状係数は1.2、側柱付き断面では実断面のせん断有効面積を使います。軸断面積を形状係数なしでそのまま代入しません。 区間勾配 \((Q_u-Q_c)/(\delta_u-\delta_c)\) は上記端点からの代数的導出であり、\(\beta_s K_0\) と異なります。
耐力算定とは別の接続例として、Qc2016000N、入力済みQu4000000N、βs0.151308333333333、 K0=1000000N/mm、h3000mmなら、δc=2.016mm、δu=26.436085256375mm、 γc=0.000672、γu=0.008812028418792、第2区間勾配81244.597599514N/mmです。 断面検定の参考骨格欄にはQc用面積と第2区間剛性、Q–δ・Q–γの3点を表示します。グラフのQはkNです。
入力不足と適用範囲
横筋材料は「せん断補強筋」欄の対応材種と、明示された有限かつ正のfyが必要です。 未割当・fy欠落・0・負・NaN・∞・非対応材種は、横筋を必要とする出力を部材ID・役割・原因付きの未検定とします。 SD295等の材料名からfyを推定せず、295への補完も行いません。明示fy=295/345は正常入力です。 βs・側柱付き壁のQuは壁縦筋の材料強度を使いません。Qc式自体は壁縦横筋の材料強度を使いません。 縦筋材料の不足だけでこれらを拒否しません。ただし参考骨格全体には横筋材料と明示した縦横筋比が必要です。 許容応力度の短期検定では直交最小筋比を用いるため、縦横両材種の許容値の小さい方を用い、縦筋不足はその許容検定だけを未検定とします。縦横異材では最小筋比と小さい許容応力度の積を採用します。この積は各方向の鉄筋比×許容応力度の最小値以下となるため、壁筋耐力項を過大評価しない安全側の下界です。 長期のコンクリート負担Q1だけの検定は壁筋材料を必要としません。 この検定入口では、横筋比が未知の入力は非線形参考骨格を未検定とし、最小比を用いる許容検定と区別します。RC壁の非線形解析開始可否は別途判定します。 参考骨格の縦横筋比は有限非負かつ直交最小筋比以上が必要です。Quの横筋寄与には、等価壁厚換算後の1.2%と、実壁厚基準の壁板縦筋比の2倍の小さい方を上限とします。βsは上限適用前の実壁厚基準の横筋比を用います。構造実験確認による上限の例外は適用しません。終局せん断耐力の入力を参照してください。
現時点の参考骨格は、無開口の鉛直壁、通常強度の同質コンクリート、壁厚中央に側柱中心がある断面、明示の縦横筋比を対象にします。傾斜壁の原研究への適用は未確認のため、参考骨格を理由付き未算定とします。主材はコンクリート区分が必須で、Fcが設定されていても鋼材・鉄筋区分をコンクリートとして扱いません。 せん断スパン比M/(QD)は有限の正値が必須です。0・負値・非有限値は入力不正として拒否し、正入力に対する既存Qu式の評価範囲1〜3への制限とは区別します。 側柱がある場合は正方形RC柱に限定し、柱軸が壁高さ方向、断面の二軸が壁面内方向・壁面法線に平行な配置だけを扱います。柱の実局所座標系で判定するため、正方形断面の相対0°・90°は同じ断面として扱い、45°などの回転は理由付き未算定とします。SRC・鋼材・異材料・円形・方向別せいが未解決の側柱を代用しません。 左右の側柱は断面寸法・配筋が同じで、壁とコンクリート種別・Fc・弾性材料特性が同質であることを必須とします。片側だけの側柱や断面・配筋の非対称入力で、強い側の主筋量・大きい側の断面せいを両側へ代用しません。実在する側柱の断面・コンクリート主材を解決できない場合は、その柱を断面から除外せず、側柱IDと不足役割・原因を付けて参考骨格を未算定とします。 側柱主筋量が不足した入力は未検定です。縦横異配筋は明示横筋比で計算できますが、その全組合せに対する実験的精度を保証するものではありません。 菅野の回帰資料域に合わせ、\(F_c=170\text{–}280\) kgf/cm²(約16.67–27.46 N/mm²)、\(h/l=0.33\text{–}1.63\)、横筋比0–1.5%の範囲外を参考骨格の未検定とします。 原研究の回帰相関係数は0.62です。 開口低減をAwへ含める方式に対し、Qcへ適用する低減率と二重適用防止は未確定です。 Qu用・剛性用の低減率や面積控除率から推定せず、有開口のQc・参考骨格は理由付き未算定とします。 Fc・実壁厚・柱心距離が欠落、0・負・NaN・∞の場合、面積の積やQcがoverflowする場合も未算定です。 βsが0–1の内部にない、Qc≥Qu、非有限値または非正初期剛性、終局変形がひび割れ変形以下となる入力も理由付き未算定です。 ゼロ骨格やクランプで有効な結果へ救済しません。 入力編集後は旧結果を現行結果として再利用せず、現在の入力で再検定します。
精度と安全性
横筋式への是正によるβsの増減は縦横の配筋比・fyの大小で変わります。βsが増えると同じQu/K0の終局変形は小さくなり、減ると大きくなります。 この是正を一律に安全側と評価しません。原研究と図の定義への一致と、設計対象での実験的妥当性は分けて扱います。 Qcの変更もひび割れ点と第2区間勾配を変えるため、一律に安全側とは認定しません。 Qc式に軸力項がないことは、任意の引張軸力や全壁形式への適用保証ではありません。 Qcが大きいほど同じ初期剛性で参考ひび割れ点の変形は大きくなりますが、同じ中間荷重での参考変形が小さくなる場合があります。ひび割れ点の大小だけで安全側と判断しないでください。 建築研究資料197号p.7-53–54では評価式Ⅲが終局変形を過小評価する傾向を報告しています。採用式の同定は対象壁での安全側保証を意味しません。 入力不足を未検定にするのは誤った耐力・剛性で合格扱いされることを防ぐアプリの入力契約です。
断面の明示横筋比は参考骨格とRC壁解析で共有します。参考骨格専用の部材上書きは解析の実配筋へ流用しません。解析では独立した明示縦筋比と方向別材料も必要です。RC壁解析の入力と不足時の扱いを参照してください。数量積算は直交最小筋比による既存算定を保持します。 解析用壁の材料・配筋解決はIssue #535、方向別の概算数量はIssue #536で追跡します。質量は総断面積に標準RC密度を適用します。 参考骨格を解析骨格として扱わないでください。これら別機能の方向別配筋への整合は未対応です。 このQcは断面検定の参考3点と骨格成立判定に使います。増分・非線形時刻歴のせん断ばねは、別途求めたQuによる弾完全塑性骨格で、履歴則のひび割れ点もQu/3です。参考Qcの未算定は、そのまま解析開始の拒否を意味しません。解析には独自の材料・配筋・開口・軸力等の制約があります。
出典と適用範囲
N/mm単位を採用し、Qc=0.1FcAw、Awの柱心間距離×壁厚、横筋による0.46/0.14式は本文の定義を用います。有開口のQc・参考骨格は未対応です。
- 菅野俊介(1973)、コンクリートジャーナル11巻2号pp.1–9:p.1図2、p.3図4、p.8式(23)(24)・図16が骨格と資料域を示します。p.3の壁筋比表記は縦横異配筋まで明示していません。
- 建築研究所・建築研究資料197号(2020)第7章:p.7-30、7-53、7-54にQ–γの弾性勾配と終局割線、評価精度を示しています。
- 井戸硲勇樹ほか・日本コンクリート工学会年次論文集42巻2号(2020):p.983 §4.1・式(5)に用いる実壁厚65mmに対する横筋比0.35%を、終局式の等価壁厚比と区別して使用します。SRC/S骨組試験の補足証拠であり、一般RC壁全条件の規定とはしません。
直接引用元の日本建築学会『鉄筋コンクリート終局強度設計に関する資料 1987』p.89本体は未閲覧です。公開原研究・公的研究資料で骨格接続を補足したもので、同書を閲覧済みとはしません。 Qcの引用元である広沢雅也『既往の鉄筋コンクリート造耐震壁に関する実験資料とその解析』p.30本体も未閲覧です。 建築研究所・建築研究資料No.6の公式書誌と原典本文の確認を区別します。 柱主筋比を含むpg式は採用式の根拠としません。その原出典は未確認です。
実装参照:sepika_design_jp::rc::wall_nonlinear、sepika_design_jp::joint_wiring::wall、sepika_core::section_shape::wall_rectangular_section_properties。