層間変形角
設計画面とCSVの層指標は、選択したX/Y方向の地震静的解析結果から、対象柱の最大層間変形角を算定します。表示中の別の荷重ケースや反対方向の結果で代用しません。対応する地震結果がなければ「未計算」と表示します。
上限との比較は設定値との参考比較です。比較分母の既定値は200であり、入力した正の有限値の逆数と比較します。不正な比較分母や逆数を演算できない設定は「比較なし」とし、既定値で補いません。この比較設定は解析・部材検定を止めず、変位・応力・断面検定値を変更しません。
建築基準法施行令第82条の2に関連する数値を示しますが、設計ルートや特例、1/120への緩和適用資格を自動確認する機能ではありません。参考比較のOKは、法令適合や緩和条件の確認完了を意味しません。
算定式
\[ R = \max_k \left(\frac{|u_{\mathrm{top},k,d}-u_{\mathrm{bottom},k,d}|}{h_{\mathrm{FL}}}\right) \]
層間変位 δ には、当該層の柱の層間変位のうち最大のものを用います。 FLは床上端の基準レベル、SLは代表梁の中心が来る構造基準レベルです。各柱の δ は、上下階のSLにある解析節点の加力方向水平変位差の絶対値です。FL位置で求めた変位や、SLの節点変位をFL位置へ補間・換算した変位は用いません。 分母 h は、その層で共通の上下階FL間高さです。変位の取得位置はSL、分母の高さはFL間とし、SL間高さや柱の材長へ置き換えません。 例えば、上下階FLが3500/7000 mm、SLが3000/6400 mmの場合、Z=3000/6400 mmの解析節点の水平変位差をFL間高さ3500 mmで除します。水平変位差が18 mmなら、層間変形角は18/3500です。
斜め柱も対象層の上下階SLを結ぶ場合は算定対象に含めます。斜め柱についても、上下端の加力方向水平変位差の絶対値を、当該層で共通の上下階FL間高さで除します。軸方向変位は用いません。 算定対象は、対象層の上下階SLを結ぶ柱です。途中の階のSLに節点を持たず、複数層をまたぐ柱は対象外とし、そのSL位置の変位を補間して集計には加えません。 例えば、1F–3Fを結び2FのSLに節点を持たない柱は、1F–2F層および2F–3F層のいずれの算定対象にも含めません。この対象外の扱いは、接続不整合や変位欠落による異常とは区別します。 中間節点で分割された柱は、上下階SLの節点を結ぶ連なりを1本の柱とみなします。中間節点の変位差や分割材の長さで評価しません。 途中で柱が分岐する連なりは、現在の評価対象に含めません。 算定対象の柱が一本もない層は「対象なし」と表示し、層間変形角の数値および設定値との参考比較のOK/NGは表示しません。節点の平均変位では代用せず、有効な変形角ゼロや、対象柱の接続不整合・変位欠落による異常とは区別します。 正常終了した解析では、対象節点の有限な変位が揃うことを前提とします。正常な対象柱の接続を解決できない場合や、解析結果の変位が欠ける場合は不具合として扱い、その柱を除外した最大値やゼロ・平均値を正常な算定結果として表示しません。固定節点の変位ゼロは有効な結果です。 最大角を与えた柱の代表ID(最上部の分割材)、柱頭の平面位置、水平変位差、採用したFL間高さ、角度を対応させて表示します。変位差が0の有効な結果は角度0と参考比較を表示します。
解析結果の計算契約・生成入力と現在モデルの不一致、必要変位の欠測・非有限値、正の有限値でないFL間高さは理由を示し、角度と参考比較のOK/NGを表示しません。階情報に不整合がある場合は、算定できない階情報の診断も表示します。
表示する最大値は上記の算定対象の範囲内の値であり、対象外の柱を含むモデル全体の最大変形を保証するものではありません。
Rsに用いる重心位置の代表変位、Ds・Quの確定評価点や解析終了条件は目的が異なります。ここでの最大柱角や参考比較の設定を、それらに流用しません。
記号・単位
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| \( \delta \) | 上下階SLの解析節点から求める各柱の水平変位差の絶対値(最大値を採用) | mm |
| \( h \) | 上下階FL間高さ | mm |
実装参照:sepika_app::summary::seismic_story_metrics(crates/sepika-app/src/summary.rs)がGUI・CSVの共通集計を行い、柱の最大変位差は sepika_design_jp::secondary::stiffness_ratio::max_column_drift(crates/sepika-design-jp/src/secondary/stiffness_ratio.rs)が算定します。