SRC / CFT 断面検定
SRC・CFT の断面検定を、SRC規準1987(累加強度式・併用せん断式)および構造規定(技術基準解説書)に基づいて行います。
記号・単位
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| \( M_A \) | SRC 断面の許容曲げモーメント(鉄骨と RC の累加) | N·mm |
| \( {}_s M_o \) | 鉄骨部の許容曲げモーメント | N·mm |
| \( {}_r M_A \) | RC 部の許容曲げモーメント | N·mm |
| \( {}_s Q_A \) | 鉄骨部の許容せん断力 | N |
| \( {}_r Q_A \) | RC 部の許容せん断力 | N |
| \( Q_A \) | SRC 柱の許容せん断力(併用式) | N |
| \( {}_s Z \) | 鉄骨の断面係数 | mm³ |
| \( a_t \) | 引張鉄筋断面積 | mm² |
| \( f_t, f_s \) | 鉄筋の許容引張応力度・コンクリートの許容せん断応力度 | N/mm² |
| \( {}_s f_t, {}_s f_s \) | 鉄骨の許容引張応力度・許容せん断応力度 | N/mm² |
| \( {}_w f_t \) | せん断補強筋の許容引張応力度 | N/mm² |
| \( p_w \) | せん断補強筋比 | - |
| \( \beta \) | 鉄骨ウェブの形式と寸法による係数 | - |
| \( {}_r \alpha \) | せん断スパン比による RC 部の割増係数 | - |
| \( \sum {}_c M_y \) | 柱頭・柱脚の終局曲げ耐力の和 | N·mm |
| \( Q_D \) | 地震時の設計用せん断力 | N |
算定式
SRC 梁 曲げ(鉄骨と RC の累加):
\[ M_A = {}_s M_o + {}_r M_A \]
鉄骨部:
\[ {}_s M_o = {}_s Z \cdot {}_s f_t \]
RC 部:
\[ {}_r M_A = a_t \cdot f_t \cdot j \]
SRC 梁 せん断は、鉄骨部と RC 部を弾性分担(または地震時短期の構造規定方式 sQD/rQD)と比較します。
鉄骨部:
\[ {}_s Q_A = t_w \cdot d_w \cdot {}_s f_s \]
RC 部(pw は 0.6% 上限):
\[ {}_r Q_A = \min(b \cdot {}_r j \cdot ({}_r \alpha \cdot f_s + 0.5 \cdot p_w \cdot {}_w f_t), b \cdot {}_r j \cdot (2(b'/b) \cdot f_s + p_w \cdot {}_w f_t)) \]
- SRC 柱 N-M 相関を累加強度式で構築する(コンクリート許容応力度は鉄骨フランジ食い込み低減後 \( f_c' = f_c(1 - 15 \cdot {}_s p_c) \))、二軸曲げは線形和。RC 部 N-M 曲線は引張側アンカー \( ({}_r N_t, 0) \) を持ち、純引張耐力近傍で \( {}_r M \to 0 \) に収束する。 SRC 柱 せん断の長期は、併用式を全せん断力と比較します。
\[ Q_A = (1+\beta) \cdot b \cdot {}_r j \cdot a' \cdot f_s \]
ここで \( a' = {}_r \alpha \)(\( b'/b \ge {}_r \alpha/3 \))または \( 3b'/b \)、\( 1 \le {}_r \alpha \le 2 \)、β は鉄骨ウェブの形式と寸法による係数とします。
せん断スパン比による割増係数 \( {}_r \alpha = 4/(M/(Q \cdot d)+1) \) の算定(\( Q \approx 0 \) の退化時は下限 1.0 を採用する規約を含む)は RC 断面検定(梁(RC規準13条))と共通です。
短期は鉄骨部 sQA(強軸 \( d_w \cdot t_w \cdot {}_s f_s \)/弱軸 \( (4/3) \cdot b_f \cdot t_f \cdot {}_s f_s \))と RC 部を分担 sQD/rQD と比較します。
\[ {}_r Q_{AS1} = b \cdot {}_r j \cdot (f_s + 0.5 \cdot p_w \cdot {}_w f_t) \]
(α を含まない)
\[ {}_r Q_{AS2} = b \cdot {}_r j \cdot (2(b'/b) \cdot f_s + p_w \cdot {}_w f_t) \]
- CFT 柱は SRC 規準を CFT 断面に適用する(相互拘束効果の強度割増しは考慮せず、非拘束・安全側とする)。せん断有効断面積は方向別(\( 2t(H-2t) \)/\( 2t(B-2t) \))とする。鋼管部分の許容圧縮応力度の細長比は鋼管単体の断面二次半径で評価する(充填コンクリートの剛性寄与を無視するため安全側)。鋼管部分の許容圧縮応力度 \( {}_s f_c \) は、CFT 断面が鋼管専用の材料参照を持たない現行モデルでは、主材料のヤング係数が充填コンクリートの E であるため、鋼材の固定ヤング係数 \( 2.05 \times 10^5 \) N/mm² を用いて算定します。せん断は強軸・弱軸を対称的に扱う。コンクリート強度未設定の断面は検定をスキップし、鋼種を解決できない場合は SS400 相当(F=235)で検定する。
- CFT 柱の充填コンクリート部分の \( (c_N, c_M) \) は、縁応力一定・線形分布(コンクリート引張無視)の弾性三角形応力分布で求める(矩形は中立軸位置・充填断面幅せいの閉形式、円形は同仮定の数値積分)。中立軸が断面外(\( X_n > c_D \))の分枝の \( c_M \) 式は、\( X_r = 1 \) での連続性と全断面一様圧縮での 0 収束を満たす形を用いる。
- CFT の鋼管材料は
Section.steel_materialを正とし、鋼種名と実板厚または正の有限値fyから F 値を解決します。未設定・不正・解決不能な場合は解析前エラーとし、F=235 の補完は行いません。 CFT 柱の地震時設計用せん断:
\[ Q_D = \min(Q_{D1}, Q_{D2}) \]
\[ Q_{D1} = \sum {}_c M_y/h' \]
ここで cMy には CFT 指針(コンクリート充填鋼管構造設計指針)の N-M 相互作用による終局曲げ耐力 Mu(N)(柱分類対応)を用い、柱頭・柱脚同一断面の仮定で \( \sum {}_c M_y = 2 \cdot M_u(N) \) とします。
\[ Q_{D2} = Q_L + n \cdot Q_E \]
実装参照:sepika_design_jp::srrc::{beam, column, panel_zone}、sepika_design_jp::cft が検定します。
SRC 柱梁接合部は \( {}_c V \cdot j\delta \cdot f_s \cdot (1+\beta) \ge (h'/h)({}_B M_1 + {}_B M_2) \)。
SRC規準1987からの主な簡略化
- 地震時短期の設計用せん断力は構造規定方式のみを実装し、選択機能は設けない。
sM1+sM2 = 2・sZ・sftは部材両端が同一鉄骨・短期許容引張応力度に達するとみなす近似(安全側とは限らない)、rMu1+rMu2 = 2・rMuも両端同一断面・同一設計軸力の仮定による。 - SRC 柱の内蔵鉄骨の座屈は考慮せず
s_fc = s_ftとする(被覆コンクリートによる拘束のため。SRC 規準の座屈検討は別途必要になり得る)。 - SRC 柱の RC 部分の中立軸圧縮側鉄骨面積は軸に依らない一つの値を用いる。
- SRC 柱のせん断は強軸・弱軸を対称的に扱い、RC 柱検定と同様の「b/D 入れ替え」近似を用いる。
- CFT 断面では、鋼管の E・F 値・密度を
steel_material、Fc・コンクリート種別をmaterialから解決する。コンクリート強度または鋼管材料未設定の断面は検定不能とする。 - CFT の鋼種/Fy は
Section.steel_materialから、鋼種名と実板厚または正の有限値fyにより解決する。未設定・不正・解決不能な場合は解析前エラーとし、SS400 相当(F=235)の補完は行わない。 - SRC 断面では、コンクリート強度未設定の断面は検定をスキップする。内蔵鉄骨の鋼種を解決できない場合は SS400 相当(F=235)で検定する(安全側とは限らないため、実運用では鋼種名を確認すること)。