SRC / CFT の等価断面性能
SRC/CFT の等価断面性能は、ヤング係数比による等価換算断面の累加(SRC 規準の考え方)で算定し、SRC は次の式により求めます。
\[ A_n = {}_{rc}A_n + {}_s A_n \cdot (n_s - 1) \]
\[ I_e = {}_{rc}I_e + {}_s I_e \cdot (n_s - 1) \]
\[ A_s = {}_{rc}A_s + {}_s A_s \cdot (n_{gs} - 1) \]
\[ J = {}_c J + ({}_s G/{}_c G) \cdot {}_s J \] CFT は SRC 柱に準じ、鋼基準の 1/n 換算で累加します。充填コンクリートの Ec は鋼管材料の密度やヤング係数からは算定せず、Fc とコンクリートの種類から無筋コンクリートの単位体積重量 γC を求めて算定します。
算定式
換算係数(\( \nu_s = 0.3 \)、\( \nu_c = 0.2 \)):
\[ n_s = E_{\text{steel}}/E_c \]
\[ n_{gs} = n_s \cdot \frac{1 + \nu_c}{1 + \nu_s} \]
SRC 軸剛性用:
\[ A = b \cdot d + (n_s - 1) \cdot {}_s a \]
SRC 曲げ:
\[ I_y = \frac{b \cdot d^3}{12} + (n_s - 1) \cdot {}_s i_y \]
CFT(充填コンクリートを鋼基準へ換算):
\[ A = A_{\text{steel}} + {}_c a/n \]
\[ I_y = I_{y,\text{steel}} + {}_c i_y/n \]
記号・単位
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| \( n_s \) | 鋼材とコンクリートのヤング係数比(\( E_{\text{steel}}/E_c \)) | - |
| \( n_{gs} \) | せん断弾性係数比を考慮した換算係数 | - |
| \( E_{\text{steel}}, E_c \) | 鋼材・コンクリートのヤング係数 | N/mm² |
| \( \nu_s, \nu_c \) | 鋼材・コンクリートのポアソン比 | - |
| \( A \) | 等価換算後の断面積 | mm² |
| \( I_y \) | 等価断面二次モーメント | mm⁴ |
| \( J \) | 等価ねじり定数 | mm⁴ |
| \( b, d \) | 鉄筋コンクリート部分の幅・せい | mm |
| \( {}_{rc}\cdot,\ {}_s\cdot,\ {}_c\cdot \) | 鉄筋コンクリート部分・内蔵鉄骨部分・充填コンクリート部分の諸量 | - |
| \( {}_{rc}A_n, {}_s A_n \) | 等価換算前の鉄筋コンクリート部分・内蔵鉄骨部分の断面積 | mm² |
| \( {}_{rc}I_e, {}_s I_e \) | 等価換算前の鉄筋コンクリート部分・内蔵鉄骨部分の断面二次モーメント | mm⁴ |
| \( {}_{rc}A_s, {}_s A_s \) | 等価換算前の鉄筋コンクリート部分・内蔵鉄骨部分のせん断有効断面積 | mm² |
| \( {}_s a, {}_c a \) | 内蔵鉄骨部分・充填コンクリート部分の断面積 | mm² |
| \( {}_s i_y, {}_c i_y \) | 内蔵鉄骨部分・充填コンクリート部分の断面二次モーメント | mm⁴ |
| \( {}_s G, {}_c G \) | 内蔵鉄骨・コンクリートのせん断弾性係数 | N/mm² |
| \( {}_c J, {}_s J \) | コンクリート部分・内蔵鉄骨部分のねじり定数 | mm⁴ |
| \( A_{\text{steel}} \) | CFT 鋼管部分の断面積 | mm² |
| \( I_{y,\text{steel}} \) | CFT 鋼管部分の断面二次モーメント | mm⁴ |
| \( n \) | CFT の鋼基準換算係数(\( n_s \) に同じ) | - |
実装参照:sepika_core::section_shape::SectionShape::{src_equivalent_props, cft_equivalent_props}(crates/sepika-core/src/section_shape/composite.rs)が算定します。
通常経路は SRC では Fc と主材料の密度から γRC・γC を求めて Ec を算定し、CFT では充填コンクリートの Fc と種類から γC を求めて Ec を算定して、\( n_s = E_{\text{steel}}/E_c \) を求めます。SRC/CFT の Fc が未設定・0 以下・非有限値のときは入力エラーとし、Fc が有効で形状条件だけで材料由来の値を使えない場合に限り、N_S_EQ = 15(SRC)または鋼管のみ(CFT)へフォールバックします。形状自体が等価換算の対象外(非複合形状)のときはフォールバックせず、形状レベルの値をそのまま用います。
Section が形状だけから生成する iy・iz・as_y・as_z は材料を知らないための暫定値です。Fc が有効で材料由来の等価断面性能が算定できない場合、SRC は N_S_EQ = 15 で鉄骨を等価換算し、CFT は充填コンクリートを含めず鋼管のみとします。材料由来の等価断面性能が使えるときは、要素剛性側でこれらの値を上書きします。
フォールバック時は解析前チェック/診断タブの警告と、準備計算「部材剛性」表の注記で利用者へ通知します(通知の内容は部材剛性を参照)。N_S_EQ = 15 は暫定値であり、原典照合待ちです。15 は典型的な材料由来値(\( F_c = 21 \) で約 9.5、\( F_c = 60 \) で約 6.1)より常に大きく剛性を過大評価する方向に働きます。全体変位には非保守、着目部材の応力には保守となって一方向に定まらないため、安全側とは言い切れません。